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アシハラヒロコさん
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母と子の視線がいかに絡むかを考えて作るんです
- アシハラ
そう。その愛情のやりとりが思い出されるっていうのは、日常生活の場である家がバックグラウンドで思い出されるわけだから、私たちはそのキッチンとダイニングとで、お母さんと子供と視線がいかに絡むかとか、家に帰ってきてからお母さんに「ただいま」と言えてから部屋に入れる動線を考えるとか。
例えば子供が小さくてゆとりがあればね、お風呂でみんなで楽しく入れるように大きめに作るとか、それから今やプロジェクターとかAVを取り入れる。これだけDVDが安価に手に入るようになったんですから。
映画ってすごいでしょう? 私、大好きなんです。人生の凝縮されたいろんなものが学べたりするじゃないですか。で、ひとつのものを家族で見て、みんなで泣いたり笑ったり感想を言い合えたりっていうのは、ひとついい仕掛けなんですね。
という意味で、プロジェクターをAVルームじゃなくて、リビングでみんなで見られるように仕掛けたりとか。私はだから90%とは言わないけれど、家の中を仕掛けてるんですよ。
- 佐々木
大賛成ですね。素晴らしい。同じ感動を家族で日常的に、ってすごく大切。
- アシハラ
例えば、私の作る家で、お子さんが小さいお宅はファミリーコーナーみたいなのを作るんですね。
日本間っていうのは畳でつながって座っているからいい意味では連帯感があった。で、西洋の文化っていうのは椅子に1人ずつ座りますから、要はもう、そこで個をきちっと持たなきゃいけない。子供も小さい頃から自分のベッドで寝る。その違いがすごくあって。でも、日本人ってまだお子さまが小さいうちは、親のところで寝かせたりしているじゃないですか。
で、朝食コーナーっていうのは、いわゆるファミレスのコーナーテーブルを思い出していただければいいんですけれども、ベンチソファでつながっていると、要は……。
- 佐々木
連帯感や、包み込まれた感じになる。
- アシハラ
そう。つながっているんですよ。するとね、このつながり感の温かさっていうのは、こう、親鳥に羽で守られているような感覚になる。
もちろん、日本文化、西洋文化のメリット・デメリットはありますから、両方の良いところをうまく融合させたいです。
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