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アシハラヒロコさん
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五感を大切にしているんです
- アシハラ
五感、例えばドアノブの触感で、開けたときに次に広がる空間が、ドアノブが真鍮の冷たさで中だけがムクだと、「うわ、この扉の向こうはもしかしてすごい素敵な空間が広がる…」、人間ってやっぱりイマジネーションをもらうんですね。
- 佐々木
わかります。家に入ったときって、香りや歩いたときの足音、手すりなどの感触、そういったものすべてで、その家のことがわかりますものね。
- アシハラ
そう。匂い、音も大切。で、寝室なんかは絨毯と壁にもどんす張りっていうんですけども、布とわたを使って音が吸われる効果がある仕上げを使ったりする。例えばグラス、こういうものをこう置いたときに響きますでしょ。これがやっぱり、「コト」しかいわなくなるんですね。そうすると、寝室はやっぱり本当に音をなくして、要は静寂があって、まず休まなきゃいけないじゃないですか。
部屋には目的があって、寝室っていうのは、まず休んで次の日の英気を養う。そしてご夫婦は人生一回しかなくて、パートナーとして出会って、そこに愛情を育む場。そういうことを五感を大切に解く。
で、そういうものを例えば、ドアの閉まり具合もね、軽いドアでバタンッて閉まるんじゃなくて、ぐっと閉まると、ロールスロイスのドアですよね。やっと守られ感があって安心していられるみたいなこと、っていうのを仕掛けてってる。
- 佐々木
これからは、どういう発展をしていかれるんですか? 仕事たくさんありますね。
- アシハラ
うーん、はい。でも私の建築への取り組み方であれば、数は限られます。
- 佐々木
インタビューしてから一軒家が出来上がるまでっていうのは、どのくらいのプロセス?
- アシハラ
着工まで6カ月。ヒアリングしながら設計していく。6カ月で最短くらいかな。
建築って、デザインと時間とお金のバランスがとれていないと、ならない。極端に言えばどんどん予算を使っちゃうわけにいかないし、時間が伸びるわけにもいかない。その制約の中でね。
- 佐々木
一年間にアシハラさんができる数にも限度がありますしね。ずっと今のお話を伺って、アシハラさんを見ていると、すごくおしゃれですし、すべてが出来上がっているんだけど、お仕事は設計をされるわけだから、実際は髪を振り乱すかどうか知らないけど……。
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