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服部 幸應さん
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まず、親のせいにさせてもらいたいんです
- 佐々木
区別?
- 服部
区別。学校で初めて世間のいろいろな人に会うわけです。そこでたとえば、あなたのものは私のもの、私のものは私のもの、じゃ、いけないですよね。
- 佐々木
もちろん。
- 服部
で、お母さんとかお父さんのものをちょっと取っても、ダメよ、で済むんだけれど、今度は物を盗ったらこれは泥棒じゃないですか。そういうことからきちんと、まず幼稚園、保育園はハッキリさせてくれないと困ります。
そう言ったら、「ほー」ってみんな言うわけ。で、小学校で、協調性。中学校で社会性。高校で志。じゃあ、大学、短大、我々の学校は、っていうとね。ぼくは使命感だろうと思うんです。
自分が今習った知識であるとか技術というものを使って、どう世の中に、それを、自分なりに達成感だとか満足感だとかを得られるというのは、やっぱり使命感を持たせるということ。
だから我々は大変なんですよ。入学してくるでしょう。そうしたら、区別から教えるんですよ。区別を教えて、協調性を教えて、社会性を教えて、それで志をもう一度やって、出すときには使命感まで持たせなきゃいけない。
- 佐々木
それを2年間で、ですか?
- 服部
2年間で。大変。
- 佐々木
でもそれは先生の信念がカリキュラムに反映されるから、2年間でなんとかできるんですね。
- 服部
そうしませんとね、社会に出たときに、おたくみたいな学生要りませんよ、って言われちゃうんですよ。ニートだってそうでしょう。なんでこんなにニート増えたんですか。もう100万人ですよね。
親が悪いんです。幼年期から児童期に、しつけをキッパリして、いかに働かないと自立できないかを、きっちり教えていないからです。ぼくは、まず、みんな親のせいにさせてもらいたいんです。まあいろいろ事情はあるでしょうけれど。
どこにも行かなくても、何やってるの、とも言わない。仕事をしなきゃ食べられないっていうことを教えない。こんな人間ばかり続々出しちゃってどうするの、って。だからね、今の親が親としての能力を持っていないということですね。
それを教育するにはどうすればいいのか。今の子供に期待して、今の親の、だいたい40代の頭くらいまでの人はみんな入れ替わらなきゃだめだ。
もちろん、いい人はいるんですよ。一握りのいい人はいるし、一握りの悪い人がいるんですよ。ぼくは今一握りの悪い人のことをいっているんですけれども、だけれどその一握りがね、二握りになり三握りになったらどうするんですか。これは怖いなと思いますね。だから食を通じての人間教育で、食育なんです。
- 佐々木
本当にそうですよね。食べているもの影響しているでしょうね。テレビで見たのですが、夜、街でフラフラしている高校生に毎日の夕食を聞いたら、「素うどんとコーラ」と言って、見せてました。あれじゃ、気力もでない。
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