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服部 幸應さん
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朝食抜きじゃ、ダメなんです
- 服部
4月に入りまして、うちに入学してくる学生がいるじゃないですか。その学生に、僕が最初に授業を持つんですね。そこで「君たち1週間の食事日記を提出しなさい」って言って出させたんです。そうしたらね、朝食抜きでダイエットはしているは、ジャンクフードは食べているはで、ひどいんです。
「あなたがたは卒業すると、栄養士とか調理師のプロになるのに、そんな食べ方をしていたら、人に教えることはできないよ。ちゃんとこの2年間勉強するんですよ」と言って聞かせて、卒業前にまたぼくの授業があるんですよ。そのときにね、また1週間の食事献立を出させたんです。そうしたら、何パーセントくらい改善されたと思います?
- 佐々木
う〜ん、7割くらい(笑)?
- 服部
高く評価してくださってありがたい。しかし、結果は6パーセントでした。
- 佐々木
たった6パーセントですか!
- 服部
いや、それで、うちの学校だけかなと思って、短大や大学も調べたら、同じなんですよ。頭では80点90点、取れるんですよ。ところがね、18歳になったら、自分の食生活に関しては、もう改善できない。面白いのはね、朝食抜きという人が、入学の段階で7パーセントいるんですよ。
- 佐々木
料理学校に来る人の、ですよね。
- 服部
栄養士・調理師になる人の、ですよ。ところが2年後調べたら、朝食を食べない人が14パーセントで、倍になっているんですよ。ところがね、改善されたものもあり、ちゃんと、食物繊維を摂ってます、とかいうのが今度多くなっているわけです。ですからそれを按分したのが6パーセント。
だから、僕がね、中教審で何を申し上げたかったかというと、結局、もう18歳になったら生活習慣を変えられないし、むしろその年頃というのは元気なものですから、悪いこともしちゃうんですよね。食べ方でも何でもそうですね。
- 佐々木
そうですね。逆に悪いことを試したい時期でもあるかもしれない。
- 服部
じゃあ何歳が理想なのかを、ぼくは医学的立場からいろいろ調べてみてね。8歳までに、一つの習慣の形を、家庭で、親御さんが生活習慣を整えない限り、ある年齢を超えたら無理だということが分かってきたんです。
- 佐々木
私、6歳と11歳の子がいるんですが。
- 服部
あと2年ですね。10歳になったら遅いんです。8歳から好奇心を持つころなんですよ。好奇心を持ってから、ああしてくれこうしてくれと言ってもダメなんです。その前にしつけなきゃいけない。これをみなさん分かってないな、と。それをぼくはずーっと研究してきたわけ。食生活を幼年期、そして児童期に確立すれば、心の成長と身体の健康の大基を作ることになるのです。
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