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藤沢久美さん
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「社会変革のためだ」って社長さんたちに言って欲しいんです
- 佐々木
キャピタルゲインを狙って投資するんではなくて、本当にその企業に成長してほしい場合に投資する。
- 藤沢
もしくは、その企業を通じて社会変革をする、社会創造のためのツールとか。
- 佐々木
私、それ、大賛成です。そういう株主にイー・ウーマンは支えられるのであれば、IPO(株式公開)をしたいんです。
- 藤沢
そうでしょう? 私はいま、そういう社長さんたちに、「堂々と言ってください」って言ってるんです。
- 佐々木
分かりました(笑)。
- 藤沢
今、IRをちょっとお手伝いすることを増やしているのは、それをね、堂々と言ってほしいんですよね。みんな、いま、流れとしては、株主資本主義の波に乗せられちゃって、上場した会社の社長さんがみんな、「株主のために」とか「株主様に」とかって言って、「常に利益を上げて、株主還元をどうするか」っていうことを言うけど、違うでしょって。
「起業って、もともと社会の歪みの中で、ここを是正したいとか考えてやっているのに、いつから一番大事なものが株主になったんですか?」って。だから、「本当は違うと思っているんだったら、言ってくださいよ」って。私は、それを応援したいんです。そのために投資家を増やすってことを、したいと思っていて。
でも、社長さんが言ってくれないと。投資家も、投資によって、良い方向に社会が変わるんだったら応援したいと思っても、どの会社に投資をしたら良いか分からない。だから、選択肢を投資家に与えるために、声を大にして言ってくださいって。
- 佐々木
たしか、バフェットの会社の投資家は1回も配当を受けたことがなくて、それでも誰一人株を手放さないんでしたよね。それは、株主総会でのバフェットの講演を聴けるという特権もあるし、彼がやっていることを応援するために株を持っているから、と。配当も求めなければ、売る人もいないから、安定した会社だって聞いたことがあります。そういうのがすごく理想なんですよね、きっとね。
- 藤沢
究極はそうですね。利益を得るのであれば、働けばいいんです。自分ができない大きな仕事を他人の力やお金の力を借りて実践する、っていうのが投資の醍醐味だと思うのです。
だから、投資信託に魅力を感じるのも、そこなんです。自分一人じゃできないことを、結局、レバレッジを利かせてできるのが投資じゃないですか。だから、エコファンドみたいなものもいい。環境のことを考えたいと思うけど、自分一人じゃどうしようもない。でもファンドはできるし。ユニセフとかもそうですよね。「恵まれない人を何とかしたい」って思うけど、自分ではどうしようもない。けれど、ユニセフのファンドに寄付すれば、そのファンドが全世界の人を助けるわけだから。私、それが投資、お金の投資のひとつの醍醐味だと思っています。
- 佐々木
そうすると「投資信託より自分でやったほうがいいよ、投資信託は手数料を取られるから損だよ」っていう考えとは全然違うのね?
- 藤沢
違いますね。まあ、確かに、自分の利益だけを最優先して考えれば、そりゃ、そうだし、全部がそうなれとは言わないけど、どうせ死んでしまうんだから生きている間に、未来のために社会貢献だってやろうよって思うんです。
- 佐々木
志としてね。
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