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藤沢久美さん
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オンライン・ゲームで未来の社会が見えるかもしれません
- 藤沢
(笑)私、人が集まっている場って、これからすごく力を持ってくると思いますよ。だから私、今、オンライン・ゲームがすごく気になってしょうがないんです。
- 佐々木
え? オンライン・ゲーム?
- 藤沢
ええ、あれには、ものすごい可能性がありますよ。
- 佐々木
可能性って、それはたとえば?
- 藤沢
パソコンって、まさにミニ国家なんです。オンライン・ゲームがスタートして、そこで何が起きているかを見てると、下手にマルクスを読まなくても、経済の歴史がわかるんです。
最初に、人が贈与経済を作り始めるんですね。「持っている物、あげる」とか言って。で、贈与経済が起きて。で、贈与しているかなと思ったら、もらったから「ありがとう。私のもあげる」って、交換経済が生まれて。で、交換経済になったなと思うと、だんだんもらったりあげたりするのが面倒くさくなってきて、店を開く人が出てくる。そこにポイントっていう通貨を使って、物の売買が起きて、ポイントを貯め始めたりすると、貨幣経済が生まれる。
こうなると、それまでのすごい、人同士の「あの人にこれをあげよう」とか、「あの人、あの服欲しそうだったから」とか、「あの人、弱ってるから、強いアイテムあげよう」と思ってた思いやる気持ちから、だんだん「稼ぎたい」って気持ちが出てきたりね。あと、もっと強くなりたい人から、「もっとお金をとってやろう」みたいな、まさに現代に近い人間像が生まれてきたりとかして。
だからオンライン・ゲームって、いま、どんどん現代社会に向かって進んでいるけど、もうちょっと待つと、未来社会が見えてくるかもしれないって期待してるんです。
- 佐々木
うわあ、そういう可能性なのね。
- 藤沢
すごく壮大なソーシャル・シミュレーターだと思って、すごく楽しく見てるんです。
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