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マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング株式会社 代表取締役社長、組織人事コンサルティング部門 アジアパシフィック上級副社長
柴田 励司さん
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成果主義から、貢献主義へ
- 佐々木
そんななかで、評価制度についてなんですが、以前、「成果主義をやめて、貢献主義へ」っておっしゃっていたので、非常にもっともだなと思いながら、同時に、公平感のある評価主義って難しいなあ、と思うんです。
私たちは売り上げやチーム貢献や、さまざまな視点で評価をしているつもりですが、この規模の会社ですから、もしかすると私が独断と偏見で評価するのが一番いろいろな点を考慮できるんじゃないかと思うこともあります。売上だって、一人の成果じゃないし。具体的にはどういう評価制になるんでしょうか?
- 柴田
会社によって千差万別なんですけど、基本的には、今おっしゃったように、制度なんかないほうがいいんですよ。なくても、ちゃんと評価できるはずなので。ところが、人が多くなりすぎたり、やってることが多岐に渡るが故に、制度に頼らないと評価できなくなっちゃうのが組織の宿命です。今、佐々木さんがやっておられるやり方っていうのは、たぶん理想に近いんじゃないかと思いますよ。
制度を精緻にしていったり、「客観性を高めていきましょう」っていうのは、僕は間違いだと思っています。むしろ評価する側の主観を研ぎ澄ますほうが重要だと思ってるんですよ。
客観的って言っても、主観の積み上げじゃないですか、基本的にはね。だから、正しい目とか、正しい感覚を持った評価者をいかにたくさん創る方が重要なわけです。ですから、「制度がどうです」ということよりも、「いかに佐々木かをりさんと同じような視点で、物を見ているマネジャーがいるか」っていうことだと思います。
- 佐々木
同僚や上下などすべての人たちからの「360度評価」もうまくいく企業もあれば、なかなかうまくいかないところもありますよね。
- 柴田
それもやっぱり、コミュニケーションやフィードバックの問題でしょうね。だから、どういうふうにその結果を伝えるかとか、あるいは普段からどういうふうに接しているかということで、内容が変わってきちゃいますからね。
普段、気楽に話ができないような関係で360度評価などをやると、一気に噴出するので、きつい話がいっぱい出ちゃう。そうすると、お茶を濁しちゃうっていうパターンは結構ありますね。
12/26
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