ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第76回 三富 正博さん

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株式会社バリュークリエイト パートナー 公認会計士、米国公認会計士
三富 正博さん
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大企業の経営者との企業価値の話
- 佐々木
いろんな企業を見ていて、なにが面白いですか? あるいは、なにが楽しいですか? たぶん経営者と話し、いろいろ聴いてくれば、面白い話や生々しいストーリーをいっぱい聞かれたでしょうし、相手が変化していく姿をたくさんご覧になられているんじゃないかと思うんですけど。
- 三富
そうですね。たとえば、こんな話がありました。2万人ぐらいの大企業の経営者の方と、2年ぐらい企業価値について定期的に話をしていたんですね。本にも書いたんだけど、「企業価値の組織資産のど真ん中には、情熱が必要なんです」って話をしていたんです。
そうしたら、その経営者の方が「情熱か? そんなもの、この会社に入ったときに捨ててきたぞ」って言ったわけ(笑)。でもそれは、大企業だとすごく普通の話で、組織に入ったらね、「そんな、情熱だ、夢だ、なんて言っている場合じゃない」というふうになるもんですよね。
でも、そうやって話しをしているうちに、その経営者の方が結構情熱をもってビジネスをされるようになって、実際に、その会社の周りの方々も元気になってきちゃった、なんていうのを見たんですね。そうすると「自分たちがアドバイスしていてよかったな」っていうことはありますよね。
ベンチャー企業もあります。ベンチャーの社長さんっていうのは、やっぱりチャレンジ精神旺盛なんだけど、時にして方向性が違ってたりするわけですよね。で、僕は、さっき言ったように大企業にもいたことがあるんで、「会社が成長していくと、たぶん、こっちの方向に行かなきゃいけないな」っていうふうにアドバイスしているんだけど、聞いてくれないことがよくあるんです。でも2〜3年ぐらいたつと、ある経験をきっかけに、それを真剣に聞いてくれたりするの。そうやって成長してくれると、「ああ、やっぱりアドバイスしていてよかったな」と思うことはありますよね。
- 佐々木
お話をうかがっていると、ウェブにも「僕たちは分厚い紙のリポートを出すわけではない」と書いてあるように、やっぱり話し相手になってくれる、いわゆる、今みんなが一般的に言っている、「コーチング」に似ているのでしょうか。まったく違うポジションになるんですか?
- 三富
たぶん、コーチングっていうのに似ているんじゃないかなと思うんですよね。ただ、僕自身もそうだけど、コーチングっていうのは、すごく自然なことだと思っているんで、それを、あえて「コーチング」って言う必要もないかなって。加えて、僕らは基本的に、企業価値ってことで、「将来のフリーキャッシュフローを、現在価値に割り引いたものが最大になるようにするためにはどうすればいいか」って視点で常にアドバイスをしているんで、そこは、普通のコーチングの方と違うかもしれないですね。
- 佐々木
だから経営者が多いわけですね。
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