ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第78回 伊藤 麻美さん

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伊藤 麻美さん
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会社を3年で、再生しました
- 佐々木
2000年に引き継いだ時点では、資産はなく、売り上げもずいぶん落ちていたということですね。
- 伊藤
どんどん下がっていっていました。
- 佐々木
5〜6年たった今は、業績としてはどんな感じですか?
- 伊藤
おかげさまで、利益も出はじめました。ちょうど3年目で黒字になったんですね。「石の上にも3年」って言って、3年たってダメだったら諦めようと思っていたんです。そんなにもたないですから、会社も。
だから、3年目で黒字になったので、これは行けるんじゃないかなって思いました。ここまでさせてもらったのなら、神様かだれかが、『行け』とサインを出しているんだって。もちろん月単位では、たまにちょっと悪い時もありますけど、今はもう経常利益も出ていますし、銀行もちゃんとメインもついて、新しくお金を借りられるような状態になったので。
- 佐々木
どういう手法で再生されたんですか? 会社のホームページを見せていただいたら、楽器だとかスピーカだとかっていろいろ出ていますけど、時計への依存をやめていく中で、新しく麻美さんになってやり始めたことというのは……。
- 伊藤
ほとんど全部。まあ楽器は、前から若干はやっていたんですが、増やしていったんですね。それまでは時計が8〜9割を占めていたので、それ以外の分野を増やさなければいけない、と。
ただ、もちろん、増やす段階で資金繰りが行きづまってしまえば終わりなんですけど。だからといって、じゃあ人件費をカットという意味でのリストラはしちゃいけないと思っていました。
実は、前の社長が過去に1回しているんですよ。2度3度やると、もう、モチベーションも下がってしまいますし、「次は自分なんじゃないか」とか、みんな、変にチームワークが乱れていったりすると思ったので、絶対にそれはしない。その代わり、全社員に業績をオープンにして、数字を見せたんですよ。「こんなに悪い状態で、返済がこれだけある」って。
それで、うちはもう「脱」時計というか、時計を切るわけではないけれども、それに依存するのではなくて、他の分野を増やすことが、今は優先課題だっていうことで。それで、ホームページを立ち上げて、どんどん営業して、展示会に出たりとか、飛込みをしたりとか。
- 佐々木
それは、ご自身でもされました?
- 伊藤
はい、しました。
- 佐々木
どんな所に行ったんですか? 宝飾とか?
- 伊藤
宝飾よりも、私は電子部品とか精密機器とかに。ビッグサイトで展示会をよくやっていますよね? 向こうは営業をするために出ているんですけど、私は、そこに行って、「すいません、これってメッキじゃないんですか? うち、メッキ屋なんです」って言って名刺交換すると、「社長じゃない!」とか言われるので、「なにかあったら、よろしくお願いします」って。
- 佐々木
ブースに逆営業かけるなんて、すばらしい。
- 伊藤
そう。そうすると、結構おじさんたちが応援してくれたりして。
- 佐々木
技術としても、また素晴らしい技術をお持ちの会社だったっていうことですよね。薄くメッキを塗る?
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