ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第78回 伊藤 麻美さん

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伊藤 麻美さん
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時差ぼけのまま、税理士さんと初対面
- 佐々木
お父様が亡くなった時に、会社の経営の話が一切ご家族にこなかったにもかかわらず、7年がたった時には、状況がご家族に知らされて、日本にいるお母さんが、アメリカにいるお嬢さんに連絡せざるを得ない、っていうぐらいになったっていうのは、ちょっと不思議な感じがしますが、それはたとえば、家が会社名義になっていたというようなことがあったのですか?
- 伊藤
そうです。あと、母は取締役だったんですけど、それでもあまり情報はこなかったんですね。だから、取締役会であったり株主総会であったりというものはきちんと開かれなかったんです。本当に、任せていた人が勝手にやってしまっていて。まあ、要するに、「女子どもだ」っていうような判断だったんでしょうね。
- 佐々木
二人を抜いて決めていたってことなんですね? そんな自体を耳にして日本に急いで帰国しても、その時は、まさか、「じゃあ、私が社長をやるわ」とは思わないですよね。
- 伊藤
ああ、まったく思っていないです。
- 佐々木
とにかく、「ああ大変、帰らなくちゃ」って。
- 伊藤
そうです。で、帰って成田に着いたら、母が迎えに来ていて、車に乗るや否や、会社の話をするんですよ。株主総会とか決算書とかっていっても、全然聞いたことのない名前なので、ちんぷんかんぷんなんですよね。だけど、「明日から、もう打ち合わせだから」って、時差ぼけもままならないまま、税理士さんとお会いして。
「この人、前に会った人と違うな」と思ったら、実は、父の時代の税理士さんも弁護士さんも、裏切っていたっていうことが判明して、母が慌てて探し出した人だったんです。この人がすごく正義の味方的な存在で、いろいろバックアップしてくれている、というところでスタートしたんです。
- 佐々木
経営を任せていた人が、本来なら「専門家」という人たちが、みんな私利私欲で動いたとか、あるいは怠惰というか、だらけるというかね、手を抜くというか。そういう仕事振りをする中で、全部のパーツが崩れていったっていうことですね?
- 伊藤
崩れたんですね。
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