ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第78回 伊藤 麻美さん

78 |
伊藤 麻美さん
|
|
|
「今日から、私が社長です」と、言ったけど
- 佐々木
それは何年ですか?
- 伊藤
2000年ですね。
- 佐々木
2000年なら、イー・ウーマンを設立した年でもありますし、女性が会社を経営するというのはそんなに珍しくなく、選択肢の一つとしてはいってきた、ということですね。
- 伊藤
でも、すごく反対されたんですよ。なぜかというと、製造業に女性経営者がまずほとんどいなかったのと、30代で、「起業」ではなくて「後継」ですから。しかも業績のいい会社でもないですし、メッキという分野は、あまり輝かしい業種でもないですから。
- 佐々木
地味な業種ですものね。
- 伊藤
あと、「女になにができる」っていうみたいなことも、ありましたね。
- 佐々木
ベンチャーのような勢いがある会社というより、長年社員として、工場などでも地道にお勤めになっているっていう方がきっと多かったんでしょうね。年上の方ばかり。じゃあ、そこで「わたしが社長をやる」と決めても、やっぱり初めは受け入れられなかった、ということですね。
- 伊藤
そうですね。挨拶してくれなかった社員がいたり、鼻で笑ったり。「ああ、絶対この人は私を受け入れていないな」と、目とかで分かるんですよ。でも幸い、工場長が取締役でいましたし、彼がバックアップしてくれていたのです。
あと、父の時代からの社員の人は、父を「オーナー、オーナー」って呼んで慕ってくれていたんですけど、「オーナーにすごくお世話になって、なんとかお嬢さんに恩返しをしたい」って言ってくれた人もいましたし。だから、温かさのほうが多かったかな、という気はしますね。
- 佐々木
それはよかったですね。でも、ドキドキですよね? なんだろう、起業するのと違って、他の人が建てた会社に、「今日から社長です」って自分で手を挙げて入っていく瞬間って、笑顔見せながらも、すごくドキドキよね?
- 伊藤
なんだかよく分からなかったですし、なにをやっているのかも分からなかったですよね。社長はなにをすべきなのかっていう状態。だから、前の晩、就任の挨拶をお風呂場で何度も練習しましたよ。お風呂に入りながら「おはようございます」とかやって(笑)。
- 佐々木
就任の挨拶、なんて言ったんですか?
11/24
|
 |

|
|