ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第82回 丹下 一さん

82 |
丹下 一さん
|
|
|
ビジネスマン・ウーマンにも役立つ技でもあります
- 佐々木
俳優っていう話をずっと伺ってきたんですけれど、演劇の世界にいない人も、この技術が使えるんじゃないか、あるいは使った方がいいんじゃないか、というものがあるように思えるんですね。そんな気持ちから、今、いろいろイー・ウーマンユニバーシティで教えていただいているんですけど、丹下さんの立場から見て、ビジネスウーマン&マンにも役に立つことはいっぱいあると思いますか?
- 丹下
あると思います。俳優は、100パーセントできる、ってことないんです。もちろん最低の技術は必要です。必要ですが「これも、あれも全部完璧にできるようにならなきゃ舞台に立てない」ってことになったら、誰も舞台に立てないですよ。
では、俳優が舞台に立って、すごく面白かったとか、よかったって言われるのは、何に対してか、と。それは精一杯の自分なんです。精一杯何をやっているのか、というと、精一杯自分自身と闘っている姿を見ていただくんだと思うんです。
バイオリンが上手に弾けるとか、歌がうまく歌えるとかっていうのとは違うんですね。だから、だれでも俳優になれるんです。僕、いつも言うんですけれども、100メートルを10秒で走れる素晴らしい身体能力の持ち主の方も、それから100メートルを100年かかっても移動できない身体の方もいる。そのどちらも、同じだけ素晴らしい俳優になれる可能性があると思うんですね。
俳優というのは、本当にそういう意味では、完成されたから舞台に出ているというのとは違う。それは、人生すべて皆そうだと思うんですね。お仕事をやっていく上で、ここまで、素晴らしく企画書が書けて、アイディアがガンガンできるから、だから前面に立ってお仕事ができるのかと言うと、たぶん皆さん、そんな、100パーセントの方はたぶんは一人もいらっしゃらないので。
- 佐々木
「全力で向かっている姿がいい」っていうことですよね。
16/25
|
 |

|
|