ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第9回 坂野尚子さん

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株式会社キャリア戦略研究所 所長 株式会社ザ・クイック 代表取締役
坂野尚子さん
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女社長と言われて
- 佐々木
起業したい、という強い気持ちから業種や仕事内容を考えていかれたと思うのですが、「個人のキャリア」の分野でいこうと決められたのは、どんな理由からですか?
- 坂野
90年当時、経営コンサルティングの業務で、「21世紀のビジョンをつくりましょう」っていうことをよく企業支援でやっていたんですね。「10年後のビジョンをつくりましょう」「2000年はどうあるべきか」っていうことを考えていたのですが、それを個人個人のキャリア戦略に落とし込んだらどうかな……って思った。それだと考え方としてもわかりやすいだろうし。それがまず一点。
もう一つは、女性も男性もキャリアについてすごく迷っているのに、適切なアドバイザーがいないので、もっとそういうことを啓蒙していきたい、っていうのこと。その2つからキャリアでやっていきたいと感じたんです。
- 佐々木
たしかに、キャリアについて、実際の現場を知っていてなおかつアドバイザーとして適切という人は少なかった。起業もキャリアの選択肢かと思うのですが。随分前ですが、女性社長3人の写真を撮りたいと言われて、困ったことがありましたねえ。最近増えてきたとはいえ、女性経営者はまだ少ない。この現状をどう思います?
- 坂野
増えてきてはいますけど、たしかにいませんね。それに、立ち上げは楽だけれども、継続がすごく難しいと思うんで。あと佐々木さんは佐々木さんでいろんな意見があると思うけれども、やっぱりその、ビジョンがあって、戦略があって、情熱とかも含めた力、そういう意思の力があるかどうか、しかもそれを大きく成長させることができるかどうかが、起業できるかどうかだと思います。
そういう中で、女性の場合は、ビジョンがあまりなくて、とにかく「一生懸命頑張ります」みたいな人が多いかもしれない。いや、「一生懸命頑張ります」っていうのも意外になくて、あきらめちゃう人もいるかも知れないし。
それに、大きな企業に成長させるみたいなところが、どうしてもないように思う。それと、自分自身が女性の社長ってことをあんまり意識してないんだけれど、どうしても世間が「女社長」という枕詞を置いてしまうので、そこがすごくやりにくくさせてるところかな、って思うんですけどね。
ただ、わたしは銀行とか、保証協会とのお付き合いで、女性差別を感じたことは一回もないのね。あります?
- 佐々木
ないわね。まー、20代の時に「独身ですか?」とだけ聞かれて、銀行員に門前払いされたことはありますけどね。
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