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田丸 美寿々さん
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簡単に怒ったり、批判したりできない
- 佐々木
そういう発言を、例えば、ご自分の番組だけでなく、様々な所で発言される機会があると思うんですけど、時に、今度は、これを言ってしまうと相当攻撃されるかもしれないというか、あるいは、裏でいろいろまずいかもしれないな、ということが分かるようなケースもおありじゃないかと思うんですが。
- 田丸
そうですね。それを、あえて勇気を持って発言するということばかりではない。
- 佐々木
そうですよね。でも、それはしかたない。
- 田丸
「申し訳ないです。私は立場上、ちょっとこれにはコメントできません」みたいなので。番組でもそうですし、コメントを求められた時もそうですし、「このテーマについてインタビューしたい」って言われた時も、「ちょっと、そのテーマは微妙なので、私はやっぱり報道番組をやっていますから」と。そういう時は不偏不党を持ち出して、「中立な立場ですので、何とも言えません」みたいなことで逃げたりもする。正直、あります。
- 佐々木
時期によって情報量が変わることだってあるわけですからね。どこで発言したとか、何日に発言したまで記録に残らないから、怖いっていうこともありますよね。
- 田丸
そうですよね。やっぱりテレビメディアというのは私が発言したことで、どこでどれだけの人が見ているか、今は双方向にも大分なってきましたけど、知らない所で私のコメントが人を傷つけていたりするっていうのがあって、やっぱりとても怖いです。
私はよかれと思って、あるいは正しいと思って言ったことが、実は私が知らない局面があって、あるいは知らない事があって、すごく正当な怒りを私のコメントに対して持っちゃった人とか、すごく傷ついちゃった人とか、いると思うんですよね。
私が知らないだけで、もしかしたら、知らない所で傷ついている人もいるかもしれない。そう思うと、本当に、簡単にものが言えないし、それを考えれば考える程、簡単に怒ったり泣いたり、批判したりできないなって思えるから、かをりさんの悩みというのがとてもよく分かります。
そういう時はなるべく、いくつかの立場の人達の情報というのかしら、いくつかの見方を提供して、「申し訳ないけど、私も分からないので、皆さんが判断して下さいませんか」っていう風に、情報を投げ掛け、問い掛けみたいな形でコメントを締めくくることもよくあります。「こういう事も言えますけど、こういう事もありますね。皆さんはどうお考えでしょうか」っていう風に。ただ、だからといって、自分がキャスターとしてきっちりコメントできなかった、一つの立場を示せなかった、といった後ろめたい思いはもたないようにしています。
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