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田丸 美寿々さん
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テレビ報道の信頼性
- 佐々木
そうですね。今は選択肢が与えられているから。
- 田丸
やっぱり、そういう問題は、いくらでもたくさんあるので。見ている方は、本当に、それなりの、それぞれの人生と意見を背負って生きていらっしゃるわけですから、それぞれ皆さんが判断する。それこそ、10人いたら10人の判断があっていいと思うんですよね。
- 佐々木
そうですね。でも確かに、昔はインターネットもなく、特に政治や企業絡みの話って、報道番組が報道してくれないと、あるいは新聞が書いてくれないと、一般市民は全く分からないという時代が長かったわけです。しかし今は様々な情報源があって、ブログを始め多くの発言機会がある。どれが本当の情報かも分からないくらい様々なものがある中で、報道番組のあり方というのは、もしかすると、情報をある意味で整理してあげて、こういう事とこういう事、二、三の考え方や、きちんと裏づけされた視点があるよという事を見せて、皆に考えさせるというので、すごく大きな役割なのかもしれないですね。以前ときっと違うんですね。一つに決めなくていいし。
- 田丸
今おっしゃったように、もうネット上ではあらゆる情報が、それこそ本当かどうか、非常にバイアスのかかったものも含めて氾濫しているでしょう。やっぱり、テレビの報道っていうのは、少なくとも私達は、ちゃんと裏を取った、正しい、事実と思えるものを報道しているという、その信頼性を大事にしていきたいと思っているのですね。
これだけいろんな人達が自分で発信できる世の中で、やっぱり発信する側の責任を、きちんとこれからも取り続けていかないといけないと思うし、私達がやっている、いわゆるテレビというメディア、報道というメディアは、少なくとも信頼だけは勝ち取り続けていかないといけない。でも、いろんな不祥事もあるから、なかなか信頼してもらえない状況におかれることもありますが……。
- 佐々木
やはりテレビでの報道は今おっしゃったような責任体制というか、取材体制のしっかりしているっていうことが特徴ですよね。
- 田丸
そうですね。それはやっぱりプロがやっているわけですから。毎日新聞が、「オーマイニュース」でしたっけ、市民記者が出て、ネットの紙面上でやっていますよね。
- 佐々木
はい。鳥越さんの。
- 田丸
で、市民記者の皆さんからいろんな情報を寄せてもらって、実際に記者になってもらって、取材をして記事に載せるっていう。でも、毎日新聞の方に聞いたら、「これが、なかなか大変なんですよ」って。やっぱり、一旦上がってきたものを、こちらでもう一回取材しなおしてみると、事実ではなかったとか、非常にゆがめられた情報だったりで、本当に記事として責任を持って出せるものはそう多くはないっていう話を聞いて、プロの集団がプロの取材をして、プロとして編集し、演出して出している番組というのは、ますます貴重になっていくんだと思うんですね。
だから、やっぱりプロ意識と信頼性っていうのは、いつまでも保ち続けていかないと、世の中が、「たが」が外れた情報社会になってしまうといけないから、ちゃんと、「たが」の部分も守っていきたいなと思っていますね。
13/27
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