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田丸 美寿々さん
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年齢がうまくついてきてくれた
- 佐々木
その積み重ねの中で、素の田丸さんの姿が、ジャーナリストとしてというか、伝えるキャスターとして、よくなったっていったということなんですね。ニュース、報道される出来事が通過してくる人物として、僭越な言い方で申し訳ないですが、すごく質が高くなっていったっていうことでしょうか。キャスターとして、田丸さんの魅力が増してきているのは、やっぱり伝え手としての様々な体験があるので、情報が田丸さんを素通りしてくるだけで、多くを語らなくても皆に安心して伝わるっていうことなのかなって。
- 田丸
そうだと嬉しいですね。要するに、さっき、「年齢がうまくついてきてくれた」という風に言いましたけど、自分が、これまで生きてきた中で泣いたり笑ったり、いろんな人間関係があったり、結婚したり離婚したりっていうことを、見ている人も、私の人生と一緒に年齢を経てくるもんじゃないですか。そうすると、今になって私も分かるんですけど、私も50代ですから、20いくつの若い子が、「これはおかしいですよね」って言っても「あんたに何が分かる」みたいなのがあるんですね(笑)。
- 佐々木
(笑)
- 田丸
私が視聴者だった場合、そう思う。だから、私が20代の頃、随分はねっ返りで生意気なことを言っていたなと、今振り返ると、ちょっと顔が赤くなるぐらいなんです。
でも、今の年齢で、例えば一言、それこそ、料治さんが今まで背負ってきたものの中から、いろんな事件を見てきて、いろんな事で戦ってきた料治さんが一言「許せん」って言う事は、「きっとこれは許せない事なんだ」って納得しちゃうわけね。だから、たぶん「この年齢だと、この人もいろいろあったし、それなりに頑張ってきて、その人が今こう言うんだから、きっと信頼していい言葉だな」っていう風に、視聴者がそういう所を全人的に見ている。
キャスターって仕事は、もちろん若い時にはいろいろ飛び回って、それこそ訳も分からなく、怖いもの知らずで飛び回り、取材対象に体当たりしていくっていう、その魅力もあるし、それも楽しい、そういう若い人達を見るのは、私も楽しいですよね。「この子はなかなか、ものになりそう」とか「面白い」とか。
でも一方で、特に「報道特集」というのは視聴者年齢層が高くて、30代後半から特に40〜60代ぐらいが多いんですね。そうすると、私と近い年代の人達が見てくださっていると、やっぱり同じ人生を背負ってきた年齢分や年数分だけ、近い年齢とか人生経験を経てきた同士が分かりあうみたいなところがあって。だからたぶんその辺はすごく肩の力が抜けて、「私だったら、このぐらい言ってもきっと許されるよね」と。そして見ている人も「この人だったら、こういうことを言っても、私は納得してあげる」みたいな所があって。だから、楽になりましたね、どんどん。
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