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株式会社マーケティング・エクセレンス マネージング・ディレクター
戸谷 圭子さん
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顧客のこと、知っているつもりなんです
- 戸谷
まだまだ、全体としては、顧客の視点を持とうということを思っていないというか、むしろ、「自分たちは、お客さんのことは分かっているんだ」っていう思い込みがあるんですね。
銀行って接点がすごく多いでしょう。店があって、渉外さんがいて、お客さんと直接話している人たちがたくさんいるので、「その人たちが普段会ってるんだから、お客さんたちの声は聞いています。自分たちが一番よく知ってます」っていう、自負があるんですね。
- 佐々木
でも実際はそうではない、ということですよね?
- 戸谷
店に来る人も、渉外さんが行って会える人も、ごくわずかですし、銀行員の視点で見ている。
最近は、投資信託とかリスク商品って、銀行でも随分売れていますけれど、お客さんに、私たちがプロジェクトをやる時に直接話を聞くと、「銀行の人が説明していることがさっぱり分からなくて」と。そして、「分からないので聞くと、その説明をされる用語がまた分からない」。で、「何だか分からないまま買ってるんです」という人も、すごくたくさんいる。
銀行員は仕事一筋のよく働く人たちなので、普段の生活の仕方も全然違うし、給与水準とかもやっぱり違います。銀行員の視点で見るお客さんと、お客さん側から見る、銀行の出しているサービス、商品の見方というのが、どれぐらいギャップがあるかということに気づいていないですね。お客さんがどこまで知識あるかということも。
特に、上に行けば行くほど、役員さんとかは、いいお客さんにしか普段会わない。いいことを言ってくれる、しかも法人のお客さんにしか会わないので、自分に一般生活者の視点が欠けているんだということに、気づく必要があるんです。けれど、それを認めない、認めたくない、というところがまず最初にあるんですね。
- 佐々木
裸の王様になってしまわないように、ということですね。そこで、生活者視点とビジネス視点の両方を提供するイー・ウーマンのマーケティング提案と考え方が一致して意気投合したんでしたよね。戸谷さんのところは、それに気づいてもらうようにするために、データマイニングも活用していましたよね。
10/21
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