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株式会社マーケティング・エクセレンス マネージング・ディレクター
戸谷 圭子さん
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直接、聞くことを中心にしています
- 戸谷
既存データのマイニングが、最初のコンピュータベンダーでの私の仕事ではあったんですけれど、そのアプローチには限界があるということに気づいたので、今やっている仕事というのは、お客さんに直接聞くということを中心にしています。
たとえばお客さんに5〜6人集まっていただいて、グループインタビュー形式で2時間ぐらい話をする。次に、それだけだと数が限られてしまうので、そこから仮説を出してきて、その仮説を検証するために、かなり大規模なアンケートをする。それを科学的に検証する。お客さんから直接情報をもらう、聞くという「顧客調査」をベースにして戦略を作る、具体的な施策を作るというようなコンサルティングをしています。
- 佐々木
イー・ウーマンでも、リーダーズに参加していただいて実施しているインターネット調査や少人数のブレインストーミング会議、ミステリーショッパーなどと手法は同じです。そして仮説提案をつくっていくんです。
- 戸谷
そうです。検証するのと同時に、生の声を取るのは、視点を埋めるためであり、仮説を作るためなんですね。
で、プロジェクトとして、我々はまず、経営陣とか本部の方たちとかに話を聞きます。そこで、「うちのお客さんはこんな人たちだよ」とか、「うちの商品はこういう風に評価されているよ」とか、そこで彼らの仮説というか思いが分かる。
そこで次に、営業店の現場で、テラーさんだとか渉外さんだとか、ここでもグループインタビューをするんですね。そうすると、本部とかなり違うことを言うんですよ。「お客さんはこう言ってるよ」って。
- 佐々木
そのギャップだけでも面白いですね。
- 戸谷
そこでまずギャップがかなりあって、視点がかなり増えてくるんですね。「こういう見方もある」と。その次に、今度はお客さんのグループに聞くと、今度は現場も分からなかったことで、お客さんはこんなことを思っているというのが、どんどん出てきて。
で、3段階やって初めて、アンケートや何かで聞くべきことというのがすべて分かってくる。そこまでやっているんです。仮説作りのところにものすごく力を入れているのです。
なぜならそれは、「銀行は、お客さんのことは分かっていないんだ」っていう、それが大前提なんですね。だから、アンケートで何を聞いたらいいかも、お客さんのところから聞かないと分からない。いきなりアンケートを作ってしまうと、銀行側の視点だけで質問項目や選択肢を作ることになるので、お客さんが○を付けたいと思うものがないなんてことになってしまうから。……というので、そういう形で声を聞いています。
- 佐々木
基本的にはコンサルの立場で調査提案している。
- 戸谷
そうです。
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