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株式会社マーケティング・エクセレンス マネージング・ディレクター
戸谷 圭子さん
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銀行を、外から変えよう
- 佐々木
そんな銀行の経験を通して、「銀行はもうダメだ」ということで転職されたわけですが、コンピュータベンダーでも銀行相手にコンサルティングをしていたとおっしゃいましたけど、これは自分から望んで行ったんですか? スカウトで?
- 戸谷
いや、自分で、です。
- 佐々木
それは、もう銀行業界ではなくて、外から攻めようという考え方ですか?
- 戸谷
そういうことです。中から変えるには、一行員ですし、しかも女性行員だというハンディはすごく大きくて、何か言っても聞いてもらえるような状況では全くない。だから、外から変えるしかない、と。
で、外から変える時に、これからはITの時代だし、銀行は顧客情報をたくさん持っている。ちょうどその時に顧客のデータベース・情報を扱っていこう、みたいな話も一部では出ていたんですね。それで、IT側、外側から銀行を変えるということをしたいと思ったんです。
コンピュータがやりたかったわけではなくて、転職した先が、銀行に対して、コンピュータを使ってというか、顧客情報を使っていろんなことを提案しているという、そういう会社だったので、そこに転職したんです。
- 佐々木
そこで、ちゃんと、そういうプロジェクトにも就けたわけですよね? それは面白かった?
- 戸谷
そうですね。面白かったですね。銀行の企画にいた時も、ALMという、銀行全体の資産と負債のバランスを合わすという、足りないと市場から調達してきて、余っていると市場に放出して利息を取ってというような、それを長期的に合わすというような仕事をしていたんです。ですから全体の、大きな数字を見るということは仕事でしていたんですけれど、今度は顧客一人ひとりの情報をいかに使うか。
銀行は何十万、都銀だと何百万というお客さん情報があって、他の業界にはないデータなんですね、これは。
- 佐々木
そうですよね。かなりパーソナルなデータが分かりますものね。
- 戸谷
住所も電話番号も分かって、年齢だとか、場合によっては職業も分かるという。
- 佐々木
そうですよね。収入が分かって、家賃が分かって、子どもの学校の支出まで分かるっていう。食生活も。今だと、クレジットカードがあれば。
- 戸谷
何を買っているかというのもね。
- 佐々木
何を、それも、どこの店でどう使い分けているかだって、分かっちゃうわけですよね。
- 戸谷
分かってしまうので、その情報を使ってマーケティングをするというような、そういうコンサルティングをしている部署があって、そこに入ったんです。そこで、ITとか統計とかが分かる人間だということで、データマイニングの統括責任者にしてもらって、そのプロジェクトをやっていたんです。
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