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ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター/チーフ・ストラテジスト/汎アジア投資調査統括部長
キャシー松井さん
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病気は、自分の体がつくったものだから
- 松井
そうですね。あと、当然そういう病気に直面したときに、誰でもそうですけれど、嬉しくないですよね。でも、例えばエイズとかと違って、自分の体が作る病気じゃないですか。外から感染する病気ではないのです。
治療中たっぷり時間があったので、いろんな本をアメリカで読んだんですよ。患者の話。ほとんど、9割のアドバイスが、自分の体が作った病気ですから、入れ物である体を180度変えない限りは、また再発の可能性が非常に高いというものでした。
それを何度も読んでから、両親や家族とか友達とか主人には、まだ小さい子どももいるし、じゃあもう専業主婦になって入れ物をがらりと変えないと病気になっちゃうのかな。って、話したんですよ。
それを聞いた主人が、それはあなたの選択肢ですので、別に僕は賛同するけれども、少なくともあなたの週末の生活を見ると、子どもとの48時間がどんなにストレスがたまるか分かっているので、本当に大丈夫なの? 毎日、24時間も? って(笑)。
- 佐々木
私も、同じ状態です(笑)。
- 松井
でしょう?(笑) 日曜日の夜になったら、ああほっとした、明日は仕事、って(笑)。
- 佐々木
月曜日に会社に行くのがうれしい。
- 松井
子どもは大好きですよ。愛していますよ。ただ、量ではなく質、ですよね。原則。で、それもあったし、病気になったのが2001年なんですが、その前年に、日本のゴールドマン・サックスの、初の女性のパートナーに選ばれたし、日本株ストラテジストランキングで1位になったんです。だからもう、これ以上人生がよくならないと思ったピークで、こういう病気が分かった。
ですので、当然、がらっと私の人生に対する考え方も変わって。もし仕事に戻るんでしたら、別に昇進じゃないし、お金も関係ないんですけれども、まだ数少ない女性のリーダー、この会社のなかで、特に日本だけじゃなくて、アジア全体ですね。
私、実は、アジアの責任もあるんですけれども、そういう人たちに、力不足ですけれどメンターになって、もう少し引っ張りあげたい。私を引っ張ってくれた人たちもいっぱいいますので、そのお返しの気持ちも。それが多分一番の理由だったんですね。
いつの間にか、もうほぼ6年経って。いつも母から、全くあなたの出張とか生活が変わっていないから、危ないよ、危ないよって言われてます(笑)。
13/24
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