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ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター/チーフ・ストラテジスト/汎アジア投資調査統括部長
キャシー松井さん
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子どもにどんな環境を与えるか
- 佐々木
どんな小学生・中学生だったんですか?
- 松井
もう、遊びばっかり。だって、普通の公立学校に1年生から8年生、日本で言えば小中学校。で、高校も普通の公立高校。その公立高校から4年制大学への進学率は、ものすごく低いんですよ。短大とか、あるいは卒業してすぐに仕事をするのが普通。
- 佐々木
ハーバードは、もしかすると初めて。
- 松井
姉が初めてですね。
- 佐々木
先生もびっくりだったでしょうね。
- 松井
ただ、いろんな見方があるんですね。例えば、私は子どもが2人いまして、今10歳と6歳。で、当然親としては、とにかく一番チャレンジングな教育環境を作りたいじゃないですか。でもそれは、何のためですか? 自分のためですか? 子どものためですか? と、最近考えるんですね。
もちろん、いい大学に行かせたい。それはいいんですけれども、そこまでに行く道が大切でしょう。教育とか、学校に行くのが嫌いになっちゃうと困るし、だからそのバランスを取るのが、大変じゃない?
- 佐々木
そうそう、その話、ぜひ。
- 松井
はっきり言って甘やかされた生活を送っていると思うんですね。私の子ども時代と比べて。だから、私が経験した子どものころと、彼らとのギャップ。
- 佐々木
もう、全く違いますものね。与えられている環境が。
- 松井
ものすごいギャップを感じます。でも、もちろん言い訳はしょうがない。私はこういう業界で働いているし、農家でもないし、働けるチャンスも与えづらい。けれども、なるべくそういう別の環境を見せるのが重要かな、って思うんですね。
- 佐々木
そうでしょうね。
- 松井
特に日本にいると、なんとなくみんなはほんとにぜいたく、あるいは物質主義が、とても感じられますね。少なくともアメリカに行くと、私の田舎のところは、結構低所得層を中心にした人たちも多いんですが。
- 佐々木
特にアメリカンスクールなどは、リッチな人がいっぱいいるでしょう。
- 松井
さらにね。だから「これは、非現実の世界ですよ」と言ってもね、子ども達には分からない。だからたまに、怒るときに、「言うこと聞かなければ、おじいちゃんのところに送るよ」って、冗談で(笑)。
- 佐々木
でもそれは、すごくいいアイディアかも。なんとなくサマーキャンプみたいにして、夏休みに……。うちの子も一緒に行かせてもらいたいくらい(笑)。
- 松井
私の姉が、実は本気で考えているんですよ。アメリカ中にもそういう家族がいるじゃないですか、たくさん。ウォール街で働いている家族とか、もうここと一緒ですよね。だから、子どもに、苦労する経験をさせようと。
- 佐々木
いいじゃない。それも、土をいじったりね。
- 松井
そうそう、土をいじったり。普通の人との接触のチャンスを与えることはいいかな、と。やりましょうか(笑)。
- 佐々木
やりましょう、やりましょう(笑)。本当にね、私も、子ども向けのサマーキャンプは、いっぱいプログラムしたいと思っていたんです。
- 松井
私もそう。だって、アメリカンスクールは3カ月夏休みがあるの。ワーキングマザーとしては本当に苦しい(笑)。
- 佐々木
そうそう。夏休みは、工夫しないとねえ。
8/24
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