ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第94回 キャシー松井さん

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ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター/チーフ・ストラテジスト/汎アジア投資調査統括部長
キャシー松井さん
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国務長官に届くまでの階段が多すぎて
- 佐々木
最後に、ひとつ。お父様のお話をうかがったなかで、なぜキャシーさんは、今の仕事を選んだのか。
- 松井
いい質問ですね。大学生のときに、アメリカの国務省に入りたかったんですよ。で、3年生の夏に、国務省のインターンシップでちょっと経験させてもらって。すごく面白かったんですけれども、こんな下のポストから、国務長官に意見できるポストまで、この階段、ありすぎ。
- 佐々木
(笑)
- 松井
私は、あんまり我慢ができないタイプですので、何年かかるかな、と思ったんですよ。国務長官になるつもりじゃなくて、私の意見が代表的なものになるまで、ということで。
それでちょっとやめてですね、まだ外交的な、国際関係論とかが専門でしたので、とりあえず大学院でそれを専攻しましょうということで、2年の修士の間の夏に、日本にくるようになったんです。日本学の修士でしたので。そこで主人と会って……。
- 佐々木
あ、そうですか。今、ご主人は何をされているんでしたっけ。
- 松井
メリルリンチのエコノミストなんですよ。だから、似たような職なんです。会ったときは、彼は政治家の秘書でしたので。だから、愛ですよ(笑)。愛で日本に、卒業してから戻って、就職活動をしたんですよ。
で、コンサルティング業とか、いろいろ行ったんですけれど、証券業界は下のほうでしたね。選択肢としては。
たまたま、友達も何人かこの業界にいましたので、もしこの業界を選ぶのでしたら、調査しかしたくない、と。だから最初からもう、今の仕事なんですよ。17年間。
- 佐々木
じゃあそのときには、こんな、今のようなトップクラスのポジションを持つとは。
- 松井
まあ、2〜3年やってみるかな、という感じでしたね。
ただ、変な話、外交とか、いわゆる政策に影響を与えたかったので、アメリカではできていないかもしれないですけれど、面白いことに、日本は小さいですから、それがほんの少しですけれど、できるんですよね。
失われた10年の間、第三者、特に外の意見、外国人投資家が何をしているのかということと、自民党の本部に呼ばれたりして話すことがありました。外国人はなぜ日本株を売っているのかとか、金融庁の委員会に入ったりとかね。そして、5年前、アメリカの財務省に呼ばれて、日本経済の勉強会のためにワシントンまで行きました。
変な話で、本当に、本の少しの役割ですけれど、ある程度の国際関係論的な仕事もできているんですよ。
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