ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第94回 キャシー松井さん

94 |
ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター/チーフ・ストラテジスト/汎アジア投資調査統括部長
キャシー松井さん
|
|
|
お客さんとの会話でアイディアが生まれてくる
- 松井
株価も下がるし。そうでなくて、やっぱり守るんでしたら、一番の防衛策は、とにかく自分の会社に高い値段をつけることです。株価を上げること。株価を上げる方法は、成長。余っている資金があれば、すぐに投資に回す。自分でどこかを買収するか。あるいは、成長機会がなければ、株主に還元するべき。今金利がほぼゼロですから。
- 佐々木
そうですね。
- 松井
資金をそういう成長に使う、あるいは株主に還元する。それでたいていのケースでは株価が上がります。高くなると買収しづらいじゃないですか。ただ、今、両選択肢の中で、残念ながら前者の選択肢を選んでいる日本の企業も、今だに増えていますので、それも実は、去年日本株が比較的元気がなかった理由のひとつでもあったと思いますね。
- 佐々木
ストラテジストランキングで、2006年も1位を取られましたよね。さまざまなことを勉強してアナライズすると思うんですけれど、どういう勉強法をするんですか?
- 松井
まあ、あまり勉強するヒマもなくって。正直、お客さんとの会話でアイディアが生まれてくるんですね。で、当然お客様は、私みたいなアナリストと、何百人と話しているわけじゃないですか。だから、アイディアが集中するのはお客さまとの会話です。
国内の機関投資家もすごく面白いアイディアが出てくるし、海外の視点もまた別ですし。あと、社内で私は、マネジメントの仕事も2年前から始めていて、アジアも見ているんですね。そのおかげで、本当に、日本だけじゃなくて、世界の中で、という視点で見続けることができるようになった。
私ども投資家のお客様も、日本株しか買えない、というわけじゃない。いろいろな選択肢のなかで、日本株なわけですので、「どうして日本株は去年ダメだったのか」と、そういうのが年に何百回もあるわけですから。
- 佐々木
そこからの知恵で。それが、1位に選ばれる秘訣。
- 松井
いやあ、どうしてかはよく分からないけれども。別に、いつも1位を目指しているのがもちろんアナリストの夢かもしれませんけれども、やはり、いい仕事ができて、かつマネジャー職として人を育てることに、より時間がかかっていますので。
22/24
|
 |
|
|