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ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター/チーフ・ストラテジスト/汎アジア投資調査統括部長
キャシー松井さん
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コーポレート・ガバナンスについて
- 佐々木
コーポレート・ガバナンスのお話を伺っていいですか。ポイズンビルのようなものを導入する企業の株価が下がってしまい、むしろ買収を受けやすいというリポートを読んで、すごく興味深かったんですけれど、そこをちょっと教えていただけますか? 5月に解禁になる株式交換のことと関係しているわけですよね、当然。
- 松井
そうですね。で、まあ、世の中、例えば2006年は史上最高レベルの、世界中のM&Aの取引があった年だったんですね。で、その中の、日本の企業が関わっていた取引のシェアが、3.7%しかなかったんです。とにかくM&Aの波が日本に乗らなかったんですね。ただ、そういう三角合併の話が実際にある。
それと、アクティビストですね。日本では、いろいろなアクティビストが、ここ1〜2年間の間、すごくいろいろ過激な行動を取っていましたので、企業のリアクションもさまざまですけれど、一部は守りの体勢に入った。
ポイズンピルそのものは悪くないんですよ。アメリカの会社はほとんど持っています。ただ、そのポイズンピルにもいろいろな種類がありまして、例えば株主の意見を聞かずに実行できる形のものもありますので、そうすると、結局経営者の判断だけで決定されますよね。
経営陣は嫌がっても、もしかしたらその買収提案は、株主価値の増大につながるかもしれない。でも、全然株主の声が入らずに実行できる。当然そのダイリューションリスク、株を発行できるようになりますから、それが1つの種類です。
後は持ち合い強化ですね。それがもう、実際起きています。だから、そういうのに、正直、特に海外投資家は敏感なんですね。
海外投資家は、もちろん関係ないかもしれないけれど、残念ながら日本の平均売買代金の半分以上を占めているのは外国人ですので、そういう人たちの声、大切なんですね。
かつ、日本の、例えば年金の資金ですとか投資信託の資金も反映されているわけですよ。ですから、守りの思考は分かるんですけれど、それでは永久の解決にならない。守りじゃないじゃないですか。
- 佐々木
ポジティブじゃない、ということですね。
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