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小林 いずみさん
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モチベーションアップのための発信
- 小林
ただ、この難しさというのは、リストラといっても強制的に首を切るわけじゃなくて、パッケージを提案して、それを取る人を募るわけですよね。その一方で我々は、どうしてもいてほしい人には残ってもらうようなこともやらなくちゃいけない。その仕事もあるわけです。皆のモチベーションがすごく下がっていくなかで、「一緒にやってちょうだい」っていうメッセージも送らなきゃいけないのです。
- 佐々木
難しい立場ですよね。
- 小林
辞めていく人たちに対してできること、もそうですが、残った人たちに対してやらなきゃいけないことっていうのが、もっと重くて。本当にモチベーションがどんどん下がっていって、皆が不安になってくる時期。「次は自分かもしれない」とか「もう一段リストラがあるんじゃないか」って、どんどんそういうモードになって行くわけですよね。
その時に、「そうじゃないよ。これは、次にまた上がっていくためのプロセスだから、ここで前向きにならなきゃいけないよね。我々は、こういう方向に向かっていくんだよ」ということを、メッセージとして発信していかなきゃいけないっていう、これが一番大変だったんじゃないかと思うんですよね。
- 佐々木
どんな風に、そのメッセージを発信したんですか?
- 小林
それはやっぱり、変革の真っ最中は、そういうメッセージって、発信してもあまりにも空しいし、できないので、一段落ついたところで、「日本でメリルリンチって、こういう会社になろうよ」みたいな、そういうことの発信。
- 佐々木
ビジョンみたいなものを社員の前で話すとか?
- 小林
もちろん、タウンホールって言ってますけど、四半期の報告会で言う時もありますし、それから、本社もビジネスの見直しをやっていましたから、そこから発信されてきたものを、とにかく皆に流す。自分たちが直接社員に向かって話しかける。また一方でメディアに対して話すことで、メディアを見た社員が支持するっていう、そのサイクルとか。いろんな風に。
それから、変革の結果どうなっているのか、っていうことが、一番の皆の知りたい指標ですよね。ビジネスモデルを変えて数字がよくなってきている、ビジネスがよくなってきているっていうことを、皆が分かれば、安心するわけじゃないですか。だから、とにかく、そこの数字の回復。
それから、もうちょっと長い3〜5年のタームの、会社が何を目指しているのかというメッセージの発信。それは直接発信するものもありますし、あるいはニューヨークで言っているものをこちらで流すこともあるし。あとはお客様ですよね。お客様に対して言ったことは、お客様を通して返ってきますから。
- 佐々木
つまり、必ずしも社員に直接「こうですよ、ああですよ」と訴えるばかりでなく、多角的にメッセージを発信していくことなんですね。
社長の仕事は、やっぱりチームワークを作ることであり、一つのチームとして働かせるための組織を作っていくこと、ということですが、今お話いただいたリストラのステージを終え、最近の2〜3年で、チームワーク作りで注意している点、またさらに強化していることとか、ありますか?
10/23
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