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小林 いずみさん
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アメリカと日本では「ダイバーシティ」も違う
- 佐々木
組織の話をしているなかで、ダイバーシティという言葉はまだ出てきていないんですが、社員の方はさまざまな国籍の方がいらっしゃると思うので、今やっと日本でも言われてきている、組織のダイバーシティはすでにいろいろご経験があるのですよね。
- 小林
メリルには、ダイバーシティ&インクルージョン・カウンシルっていうグローバルの組織があるんです。私自身、女性だっていうのもあって、グローバルの会議に出てきたんですけど、これまでの問題は、やっぱりアメリカの会社なので、ダイバーシティというと、極めてアメリカ主導の発想でやってくるわけですよ。「人種問題」が、まず出てきちゃうわけですね。
でも実はダイバーシティという意味では、アメリカって、とても特殊な国なんですよね。皆、「日本は特殊だ」って言うんですけど、実はアメリカみたいな国って他にないじゃないですか。世界中からいろいろな人が集まって、それで国を作っているところって、実はアメリカだけなんですよね。
以前は、アメリカのダイバーシティという発想で、「じゃあ、世界中同じフレームワークで」ってやったんですけど、「いや、ちょっと待てよ、それじゃ機能しない。やっぱりアメリカって特殊だよね」ということに、ようやく気付いたんですね。結局、日本の我々にはうまくフィットしなかったのが、去年ぐらいから、ニューヨークの人たちにも分かってきた。
それで、「各地域でのダイバーシティで、もうちょっと自由にやってちょうだい。でも、全体としては同じミッションを共有しましょうね」ということで。
- 佐々木
それは具体的には、アメリカは本当にいろいろな人種のるつぼの中で、いろいろな人がいるから、いろんな人種を採用しましょうとか、宗教を考えましょうとか、同性愛者とか性的指向も配慮しましょうとか。
- 小林
そんな感じです。
- 佐々木
そういうあらゆる点をきちんと考慮して採用しましょうということを、日々やらなきゃいけないというカルチャーがある。でも、おっしゃっているのは、アメリカはそういう意味では大変特殊で、そこまで多様な人がいる国ばかりではないし、それぞれの国で全人種を雇えと言われても、それは難しいということがあるから、現地のダイバーシティをその文化に合わせて考えよう、ということですか?
- 小林
そういうことです。一方アメリカのダイバーシティから学ぶべき事もあります。今やアメリカでは、単純に「それぞれの人種を雇いましょう」というレベルじゃないんですよ。
これから10〜20年後のアメリカの社会っていうのを予測すると、明らかに、アフリカン・アメリカンとヒスパニック系の人間の人口に占める割合が急速に高くなるので、消費、サービスの主流も彼らのニーズになる。だから、会社が生き延びていくためには、やっぱりそうしたコミュニティへのサービスを充実しなければならない。だから彼らを採用しないといけない、と。
12/23
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