ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第98回 金野 志保さん

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金野 志保さん
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札幌に勉強に行っているんです
- 佐々木
本当に、今までの努力が実ったというか。だからか、失礼な言い方かもしれませんが、以前よりずっと柔らかいイメージになりましたよね。
- 金野
やっぱり今までは、自分より優秀な弁護士や優秀な人は世の中にいっぱいいるけど、ある程度自分だって優秀なはずだ、という一定の自信がある中で、でもそれがなかなか認められないっていう焦りが、たぶんずっとあって、肩肘はっていたのかもしれませんね。
それで、焦りの中でいわば「雑巾がけ仕事」とでもいうべき下積み仕事や勉強をずっとしてきて、そういうことが、今だんだん開花していく時期にきて、「あ、私のやってきたことは、やっぱり良かったんだ」って思うわけです。
例えば、今でも、北大の大学院の客員研究員もやっているので、週1回、1年のうち半分だけですが、札幌に行っています。
- 佐々木
え? 週1回札幌へ行ってるのですか? 研究員というと、教えるのではなく、学ぶ?
- 金野
はい、行っているというよりは「行っていた」というのが正確で、ロースクールで自分自身が教える立場になってから、なかなか行かれないんですけれど。でも、一応客員研究員として在籍していて、たぶん7年位前から毎年半期だけ、北大の大学院で、著作権と不正競争防止法のゼミに出ています。客員研究員というのはきれいな名前ですが、要するにゼミ生です。
もうちょっと知的財産法について勉強したかったかなと思っていたときに、その北大の有名な知的財産の先生、大学時代の同級生なんですけど、彼ととある研究会で再会し、うちのゼミは地元の弁護士や弁理士、大阪の弁理士会の副会長さんも飛行機で来ているよ、来てみる? と誘ってくださって。
その「大阪から」という話で、私もお金と時間をかけて札幌まで通学したら勉強する気になるかな、と思ったのです。
人からは「自腹・日帰り・飛行機通学、よくやるねえ」と呆れられながら、毎週2時の飛行機に乗って最終便で帰ってくる、札幌ラーメンさえ食べる時間もない……といった札幌飛行機通学をしていたのです。
でも、そこで客員研究員になった後、そこでの出会いが本当の仕事に結びついたりしています。実はそこで、ヤフーの方と初めてお会いして名刺交換をしたのがヤフーとのご縁のきっかけで。それがずっと後になって、監査役という仕事に結びついたのです。
- 佐々木
それは大きな出会いでした。札幌様様ですね。
- 金野
そうなんです。ゼミに誘っていただいて参加を許していただいた、友人である教授にも本当に感謝しています。
このように、偶然とはいえ、何か将来役に立つはずだと思ってやってきたことが徐々に実ってきてるようです。大学院の助教授、今は教授ですが、その職にあることも監査役就任の際にはおそらく役に立ったと思いますし、今度は、ヤフーの監査役という職にあるおかげで、他の人からも信頼を受けやすいと言う側面があるようです。
- 佐々木
いや〜それはもう。そうだと思います。
- 金野
ちょっとびっくりしますよね。名刺を見て「監査役」と書いてあると(笑)。
- 佐々木
きっと、オファーが来たとき、心の中では大声で叫びたいような感じだったでしょう。
- 金野
そうですね、何か頼みたいことがある、と言ってヤフーの方がいらして、何だろうと思ってお会いしたら、いきなり監査役候補者というお話だったので、びっくりしました。でも、その時点では他にも候補者がいらしたでしょうし、本当に私が就任させていただき、さらにびっくりしました。
- 佐々木
そうでしょうね。1人だけ推薦ということはないでしょうね。でも、そういった自信が今の柔らかい雰囲気を作り出したんでしょう。私が初めてお会いしたときは、簡単に言うと失礼だとは思いますが、戦いムードで硬かった印象があるんですが(笑)、最近とっても余裕があるように見えます。私なんかでも、今なら、話をしてもらえるかな、って。
- 金野
いえいえそんなこと。私の方から見ると、佐々木さんの方が偉い人たちに囲まれて、遠くから拝見する、て感じだったんですけど(笑)。別に、そんなに肩肘張って鎧を着なくても、そのままの私でいいのだって思うようになって、今はたぶん自分の地が出せているんだと思います。
11/22
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