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金野 志保さん
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司法試験の合格者が増えて
- 佐々木
大学で、今は教授として学生を教える中で、何かこう、今の学生の変化だったり、思うことみたいなのありますか? 今、弁護士の採用が非常に多くなって、昔よりもハードルが低くなったという感じがしています。私たちのような、つまり今まで受からなかった人が受かる、というふうに見えるわけなんですけど。
一方で、弁護士としては競争が激しく、数が増えるわけだから、弁護士になったらよしではなく、そこからが勝負、ということに。学生たちを教えている立場として思うことか何かありますか?
- 金野
確かにおっしゃるとおりです。これはまだロースクールの第1期合格生が出る前の話で、司法試験の合格者数が単純に増えた時の話ですが、私たちの時は年間合格者数が500人で、それが合格1,500人に増えたとき、ある弁護士から、「とてもこのまま法曹にしてはいけないような人を、受からさざるを得ない試験制度になっていることを非常に憂いている」と言われたことがあります。
いつの時代でもトップクラスの人達は皆できる人ですけど、人数が増えて、1,500番目あたりはちょっとこれは困る、と思いながら、でも国策として1,500人合格させるということで仕方なく受からせざるをえなくなってきている、という話でした。
こういった中で、我々教育者側の責任は非常に重いですよね。しかも司法研修所ではなくロースクールでは、まだ司法試験合格前の人たちを教えるわけで、法律そのものの習熟度も、法律実務に対する真剣度も、まだ余り高いとはいえない状態であるのですから。
12/22
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