池上彰です。今週から、原則として毎週、ニュースを解説することになりました。私は今年の3月まで、「NHK週刊こどもニュース」の「お父さん」として、世の中の出来事を子どもにわかりやすく解説する番組を担当してきました。ところが、視聴者の多くは大人。「わかりやすいニュース」がいかに求められているのかを痛感する日々でした。
フリーのジャーナリストになったいま、今度は、このウェブサイトでニュースを解説することになりました。どうぞよろしくお願いします。
今後、「このニュースを解説してほしい」というリクエストがありましたら、どうぞ遠慮なくイー・ウーマンあてにメールをお送りください。なるべくご要望に添えるように努力してみます。
さて、1回目は、アメリカからの牛肉輸入再開問題です。
狂牛病かBSEか
内閣府の食品安全委員会のプリオン専門調査会が、先週24日、米国・カナダ産牛肉の輸入について、生後20カ月以下の牛に限って再開を容認する答申案を示しました。早ければ年内にも輸入が再開される見通しです。そこで今週は、「BSE(狂牛病)」について、あらためて整理しておきましょう。
この問題、かつてはマスコミ報道で「狂牛病」と表現されていましたが、いまは「BSE」という用語が使われていますね。俗に「狂牛病」と呼ばれていた病気の正式名称は、「牛海綿状脳症」(Bovine
Spongiform Encephalopathy)なので、その英語の頭文字をとって「BSE」と呼んでいます。「Bovine」とは、……
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