イー・ウーマン古荘純一さん学習障害（ＬＤ）と勉強嫌い、違いが分かりますか？

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会議番号:2370

学習障害（ＬＤ）と勉強嫌い、違いが分かりますか？

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【開催期間】
2008年02月11日より
2008年02月15日まで

円卓会議とは

このテーマの議長

古荘純一　青山学院大学教授、小児精神科医

LDは、発達障害の1つの診断名ですが、医師や教師がレッテル張りで使用している単語ではなく、あくまで本人�……

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2日目までに届いている投稿から...

「LD」の正しい理解が先決 (Perla・千葉・パートナー無・38歳)

本日のコメントを拝読し、LDの特徴によく当てはまる小学校時代の同級生を思い出しました。しかし30年近く前、LDという言葉はなく（少なくとも聞いたことはない）、彼は単に勉強の苦手な子という扱いでした。幸い性格の良い子で友達も多く、中学卒業後は就職し、家庭も持ったと聞いています。「LD」という言葉が先行する今、成績の悪い子が皆根拠もなく「LD」扱いされ、人格を損なわれたり差別されたりすることがないよう、学校・地域社会の一人ひとりがLDを正しく理解することが先決と思います。

オーダーメイド教育の実現 (ラ・フランスパートナー有・)

まず、行政が子どもの発達に応じた教育が受けられる場所を進んで提供にすることです（親が動かなければ行政は動きません。そのまま普通学級で、できない子扱いです）進級・進学・就職と壁に当たる前に、年齢でなく発達年齢によるオーダーメイド教育でサポートすれば前進できると思います……　学習障害の子の指導は、簡単なものではないんです。3歩進んで2歩下がる。それでも少しずづ前に進んでいるんだよ。と自信を持たせ、メンタル面もサポートしていくことが大切になります。

息子が小学生の時ＬＤの疑いを (ともえサロン・北海道・パートナー有・58歳)

5歳児の息子は3年保育の幼稚園を中退しました。お遊戯会の前、同じことを2年やってるので、もう1年いる必要がないと言うのです。児童相談所へ連れて行くと「知能の測りようがない」との判断、判定員の指示に従おうとしないからでした。入学前、家で文字を教えても「鏡文字」、迷路を辿らせると、「狭い中に押し込められるのはいやだ」と拒否反応を示します。小学校でも、言葉の遅れから特殊児童扱いを受けていました。好きな事に熱中していて、時間で科目が変わるのが厭だったそうです。

LDは身体的な障害の一つ (たんたんママ・神奈川・パートナー有・41歳)

勉強嫌いは、内容を理解できないでいる状態。理解させてあげる事ができれば、嫌いと言う子はいないと思う。また、今までの勉強する過程でトラウマがあれば勉強が嫌いと言う子はいるかも。好き嫌いは精神的なものと捕らえています。反対にLDは本人の意思には関係なく、脳や神経などの身体的な障害なので、意思、意欲があっても、理解できない・忘れてしまう等が出てくるのではと思います。

	病気？ (Aska)
学習障害（LD）と勉強嫌いとは全く違うものだと思っています。勉強嫌いは嫌いなだけ、やればできるもの。一方、学習障害はなんらかの理由で学習が困難なもの。病気というカテゴリーに分類していいのかは悩みます。

	少人数制クラスを (利根川・東京・パートナー有・42歳)
個人の能力や特性によって学習のペースが守られるよう、少人数制クラスの実現と1クラスに主担任と副担任、学習障害などの専門家の先生の配置を望みます。子どもの可能性は、無限大です。

「勉強嫌い……」の裏側は？ (Satoko Warda・東京・パートナー無・28歳)

Learning Disorderという言葉で言うならば、特定の能力の障害、に限らなくてもいいのではないかなと思う最近です。環境も因子となりうると思うので。私は昔非常に算数・数学が極端に苦手でした。計算が非常に難しかったのです。その背景は、計算ができないと怒られるという強いプレッシャーでした。今ならLDを疑われたのではと思います。でも極端でなければ「勉強嫌い」と言われたのではないでしょうか。「裏に何かある」子どもも「嫌いなだけ」としないようなものがあればいいなと思います。

	指導に悩みます (ハスカップ・45歳)
家で小学生に勉強を教えている者です。学習が全然すすまない子どもがいると、LDなのか、勉強嫌いなのか、その子どもがどちらなのか判断できません。1対1で短時間指導しても集中できないお子さんは、LDＤかもしれないと思うことがあります。指導もどうしたらいいのか悩みます。

集中力 (Ｆｕｍｉ．Ｎ・広島・パートナー無・26歳)

学生時代家庭教師をしてましたが、今思い返すと学習障害と思われる生徒が何人かいます。彼らは総じて集中力がありませんでした。集中させたいと奮闘しましたが、上手くいきません。しっかり話すし、考える力もあるけど、いざ指導要領に沿った教科書の勉強を始めると「いやいや感」が出るのです。ただ勉強嫌いとは片付けられない気がします。何らかの環境や精神的な不安定感が影響を及ぼしている気がしました。

恣意的なものでは？ (キース・東京・パートナー無・22歳)

両者の違いは、わかりません。「学習障害」をはじめとして、近年、話題になっている成長期の子どもに関する障害に対して、私は「～障害」というカテゴリーで括ることに違和感を覚えます。障害イコール個性と考えれば、「～障害」と診断されることが悪いことではないはずですが、一方で「～障害」というラベルを貼ることで、子どものもつさまざまな個性を埋没させてしてしまうように感じるからです。こうした障害には医学的な根拠もあるのでしょうが、実質的には指導する先生方の便宜であるように感じます。

3日目の円卓会議の議論は...

「LDに先入観を持たず、ふさわしい支援を」

LDは、発達障害の1つの診断名ですが、医師や教師がレッテル張りで使用している単語ではなく、あくまで本人の生活での不都合さを判断基準としたものです。

偏見や先入観を持つのではなく、違いを認めて、ふさわしい支援の方法を考えることが重要です。LDに限らず発達障害はどこからがそうなのか線引きが難しいと言えます。しかし線引き（診断）をするのが目的ではなく、子どもにどのような教え方をする、対応をするのがよいのかを考えるのが先決と考えています。

LDと診断するには、知能検査を行い、得点の高い領域と低い領域の差が明らかなことを参考にしますが、全体的に低い得点であれば、知的障害の可能性を考えます。とは言っても、知能検査を学校で簡単に行うことはできませんし、評価も専門的な知識が必要です。皆さんのご意見を拝読すると、LDを、安易に周りの人が判定してしまうことを危惧されているように感じました。

教える側がいろいろ努力をしても習得できない場合に、はじめてLDの可能性を考えるべきでしょう。もっと簡単な教え方、前の段階にさかのぼって教える、興味が持てるような教え方する、などの対応で習得できる子どもたちも少なくありません。いただいたご意見では、そのステップを踏まないままLDと言われている人のことが述べられているような印象を持ちました。

一方、LDの子どもたちに、本人や家族に責任転嫁し、反復学習を強いるような対応がなされることがあります。LDの子どもたちに反復学習を強いることは「労多くして功少なし」ということになります。このような子どもたちは専門家に一度相談し、どのような対応が最も効果的かを検討すべきでしょう。

皆さまのご意見の中には誤解のある、誤解を生みかねない表現があるようにも感じましたので以上、繰返しになりますが申し上げておきます。

ところで、私は「学習障害」という診断名に違和感を持っています。というのも、LDの人の困難さは学校の問題だけではないからです。明日はLDの人の「学習以外」の不都合についてお話ししようと思います。皆さんの経験やお考えをどんどんお送りください。また支援方法についてもご意見をいただきたいと思います。

古荘純一
青山学院大学教授、小児精神科医


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