イー・ウーマン古荘純一さん学習障害（ＬＤ）と勉強嫌い、違いが分かりますか？

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会議番号:2370

学習障害（ＬＤ）と勉強嫌い、違いが分かりますか？

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【開催期間】
2008年02月11日より
2008年02月15日まで

円卓会議とは

このテーマの議長

古荘純一　青山学院大学教授、小児精神科医

初日よりNoの割合が若干増加したことは、LDの子どもの存在は知っているけれども、実はよく分からない方が多……

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3日目までに届いている投稿から...

現状把握し、できる支援を考える (Asuka4120・神奈川・パートナー有・32歳)

私はLDを運動神経のような特性の一つと捉え、息子にWISC-Ⅲという知能テストを受けてもらい、何の能力が弱く、どんな教え方が効果的か学びました。空間認知力が弱く図形が苦手ですが、三角形なら定規で形が描けなくても、辺が3本、頂点3つ、という概念が理解できればOKとし、お手本を見ても書けない漢字は、隣で一緒に書きながら教えています。学校側にも、客観的なデータを提示したことで、理解が深まりましたが、対応が追いつかないようです。学年に一人でも副担任がいたらと思います。

教師側の都合でできたものでは？ (rabbitfoot・大阪・パートナー有・46歳)

うちの子も、集団で一斉に同じことを強要されるのが嫌いで、もうすぐ卒業する小学校6年間、数えるほどしか登校していませんが、勉強は好きだし、人づきあいも苦手なようですが、常識の範囲だと思います。今の日本の学校では、枠からはみ出した子どもに対処できず、先生の手に余ると、子どもの能力や親の躾に原因を帰することもはばかられるので、窮余の策で「LD」とレッテル張りをしているだけのような気がしてなりません。エジソンやアインシュタインも「LD」だったという説もあります。

	どちらかわからない (みいや・東京・パートナー有・45歳)
20年前家庭教師をしていたときのこと、ある子は落ち着きがなく当時はLDという言葉がなかったので、ただ勉強が嫌いだっただけと思っていました。興味を持つようにあれこれ苦心しましたがどうもじっとイスに座ってられない。今思うとLDだったのかもしれません。

「勉強嫌い」との違いは…… (kimirie・兵庫・パートナー無・37歳)

私の経験から思うことは、勉強嫌いな生徒は、ゲームや歌、お絵描きや塗り絵、等、違う角度から、10分単位くらいの短いスパンで、興味を持たせ、授業に引付けると、比較的集中力がもち、それを重ねることで、興味がわけば、勉強好きに変わることが多いと思います。LDの生徒は、いろんな角度から興味を引き出そうとしても、集中できなかったり、拘りの一部分しか習得しきれないことが多く、特に苦手な部分は、好きに、得意になっていくことが少ないように思いました。

4日目の円卓会議の議論は...

「英語の学習ではじめて気づかれるLDとは」

初日よりNoの割合が若干増加したことは、LDの子どもの存在は知っているけれども、実はよく分からない方が多いことを反映しているように思います。LDイコール学校での障害、と考えられがちですが、基本的には生まれながらに存在するものです。入学前は気づかれなかったということですし、学校を卒業しても、読字、書字、算数の障害は持続します。火曜日のコメントにも書きましたが、聴覚認知、視覚認知、空間認知が困難なことは変わらないということになります。

皆さんのご意見でも有名人の名前が出てきましたが、世界的俳優のトム・クルーズ自身がLD（失読症）を告白したことは有名ですね。彼は苦労を乗り越えた自分の経験をもとに、学習障害への理解を深めるのための講演・活動も行っています。

本日は、英語の習得についてお話しします。文部科学省の方針では小学校から英語教育を始めることになりそうですが、英語という新規の言語学習は、日本語と異なり、音韻（発音）とスペルの対応がより複雑なため、「読字障害」が日本語よりも顕著に現れやすいと言えます。英語の学習を始めるまでは気づかれずに、英語学習ではじめて極端な習得困難があり、それをきっかけとして軽度の読字障害であると診断されることもあります。

小学生で気づかれた読字障害は、音韻と文字との対応が良好な日本語ですら習得困難がある、いわば障害の程度のより強い子どもたちであり、その周囲には中学生になって音韻とスペルとの対応が不規則な英語と出会うことで気づかれる、障害の程度の軽い子どもたちが多数存在していると考えられます。

他の教科が難しくなり勉強が嫌いになった子どもの中に、新規に始まった英語の読字、書字にも困難を来しているLDの子どもが少なからず存在するということになります。LDと診断される子どもが、アメリカではわが国より数倍高いということは、認知度の差というよりは、言語の差とも思われますが、英語という言語の習得が特別に苦手な人の割合は変わらないと思いますので、英語学習をはじめる時には注意が必要と考えています。

LDについては認識されつつあるが、必ずしも正しく認識されていると言い難いようです。皆さまからは対応というよりは現況についての投稿をいただきましたが、引き続き現況や対応・疑問点などもお知らせください。明日はLDを理解することを中心にまとめたいと思います。

古荘純一
青山学院大学教授、小児精神科医


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