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今週のテーマ

会議番号:2717

新型インフルエンザの影響、出ていますか?

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【開催期間】
2009年05月11日より
2009年05月15日まで

円卓会議とは

このテーマの議長

大門小百合　ジャパンタイムズ　報道部長

今週1週間、世界中から投稿をいだたきありがとうございました。今回のインフルエンザが本当に地球規模の問�……

議長コメントを全文読む

4日目までに届いている投稿から...

	子どもの周りで異常な反応 (マグノリア・アメリカ・パートナー無・46歳)
アメリカに住んでいるので子どもの学校はいろんな人種がいます。今回の騒ぎでメキシコ人の子どもたちがほかの人種の子どもに罵声をかけられていたようです。その国自体を非難したり、関係ない国にいる豚が殺されたり、そういった異常な反応が怖いと思います。

	報道と助け合い (ポーチュラカ・福島県・パートナー無・41歳)
今回のインフルエンザは毒性が弱く、一週間以内に医療機関にかかればほぼ助かるものだと言う報道が冷静に対応する助けになりました。途上国での感染拡大が心配です。各国助け合って被害を最小限にとどめられればと思っています。

落ち着いてきた現状 (sfyoko・北米カリフォルニアパートナー無・)

CA州はメキシコとの境界線を共有しているせいもあり、一時はかなり大きく取り扱われました。職場でも警告が出されて、風邪の症状が出たら出社しないようにという通知が回りました。米国では毎年3万人の人がインフルエンザで亡くなります。それを考慮するとそんなに大騒ぎするほどのことでもない気がします。公共の場、レストラン、ジム、バーなどにも普通に人が出入りしていますし、詳細が出始めた段階で落ち着いたようです。

変異株の情報 (しまうまぴょん・京都府・パートナー有・42歳)

冬場にかけて変異株が出てくるかもしれないとのこと、もう大丈夫と安心していたのでゾッとしました。冬にはまだ時間があるので、政府にはワクチンの製造を進めること、変異株についての情報を適切に開示していくことを希望します。また、今回は渡航制限がされていないのに学校や企業が修学旅行や出張、研修等を控える事態が発生し、国と民間の対応にギャップを感じました。これについては検証が必要だと思います。最後に、水際対策で奔走して下さった方々には心から御礼を申し上げたいです。

東西の意識の差 (まるげりーな・埼玉県・パートナー有・34歳)

外国人のパートナーのため、日本のニュースを通訳する毎日ですが、彼は、「アジアのインフルエンザ（＝鳥）は危険かもしれないけど、海外（＝豚）では、大したことないんだよ。病院にも行かないし、処方箋なしで薬ももらえるよ。」と言ったことがあります。致命傷になることもある伝染病でも、地域でこんなにも意識の差があるということに、目からうろこの思いがしましたが、メディアからは、もっと慎重に幅広い視野で情報を得ようと思っています。外国紙も参考に。

平凡でシンプルだけど (ｒｉｃｏｓｍｉｌｅ・埼玉県・パートナー有・33歳)

私は、やはり心身ともに健康を維持し、毎日を大事に生きることに尽きると思います。平凡でシンプルですが、これに尽きると感じています。政府については、確実な情報を流し、水際だけでなく、各官庁とも連携を取ってある程度決まった対策を打つべきなのではないか、と感じました。保育園ではアルコール消毒が義務ですが、従業員20名のうちのオフィスは、マスクも消毒も何もありません。政府広報をやってもいいかもしれませんし。

5日目の円卓会議の議論は...

パンデミックに備えて

今週1週間、世界中から投稿をいだたきありがとうございました。今回のインフルエンザが本当に地球規模の問題なんだと改めて感じました。

マグノリアさんの投稿にあったように、この件により偏見がでるのは恐ろしいことだと思いました。私もゴールデンウィーク中に電車に乗り思わずコホンと咳が出た時があったのですが、自分のまわりの人が一瞬のうちに遠ざかったような気がしたことがあります。

そんなこともあり、今回はいかに情報というものが大切なのかを痛感しました。メキシコで発症した直後は多くの人が過剰なくらい反応した感じがありましたが、その後情報が伝えられるに従って、人々の反応も落ち着いてきたと思います。役所、自治体などは早くから情報をホームページにのせ、メディアも新型インフルエンザに関する情報を載せたこともよかったのでしょう。

Ricosmileさんの投稿にもありましたが、政府については確実な情報を流し、水際だけでなく、各官庁とも連携をとってある程度決まった対策を打つべきという意見には大賛成です。

これは余談ですが、香港の対応には驚きました。インフルエンザ陽性反応が出たメキシコ人と同じホテルに泊まっていたというだけでそのホテルに約300人が1週間隔離されましたが、彼らはＶＩＰのような扱いを受けたそうです。香港政府や各国領事館からはチョコレートや各種食料、娯楽用具の差し入れがあり、ホテル代、国際電話代、帰りの飛行機代は香港政府が払い、最後にはディズニーランドなど各種観光地のクーポン券などのお土産がつまった袋が一人一人に送られました。SARS経験があり観光都市香港ならではの気の使いようですよね。
　
さて、今回の新型インフルエンザに関してはパンデミック（pandenmic・世界的大流行）という言葉がよくきかれました。この言葉はギリシャ語のpandemos（すべての人の）という言葉からきています。英語ではもう一つepidemic（流行）という言葉がありますが、このepidemicがさらにひどくなり世界中で流行するとpandemicです。WHOは今回のインフルエンザの波がおさまったとしても近い将来このH1N1ウィルスが変異しさらに強毒性のものになり、pandemicが3回ぐらいまではおこる可能性があると警告しています。そして、世界でタミフルやリレンザなどの使用を本当に重篤な人に限らなければ、世界中で薬が足りなくなってしまうというのです。

タミフルを製造する製薬会社ロシュによると、日本やイギリス、アメリカなどでは、抗インフルエンザ薬の備蓄量が人口の約4分の1から半数分ありますが、発展途上国のインドネシア、インドなどは人口の約2％以下の分しかないといっています。

「備えあれば憂いなし」と言いたいところですが、その備えもまだまだ十分とは言えません。「今回はそれほど影響はなかったがこの経験がよい予行演習になった」というご意見をたくさんいただきましたが、この教訓をいかし、これからに備えることが必要だと思います。一週間ありがとうございました。

大門小百合
ジャパンタイムズ　報道部長


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