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今週のテーマ会議番号:2773
子どもの自尊感情に、配慮していますか?
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4日目/5日間
働く人の円卓会議
1位
【開催期間】
2009年07月13日より
2009年07月17日まで
円卓会議とは

古荘純一
プロフィール
このテーマの議長
古荘純一 青山学院大学教授、小児精神科医
円卓会議議長一覧
いろいろな体験談をいただきありがとうございました。 まず最初に私たちの調査結果をお示しいたします。 ……
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3日目までに届いている投稿から...
月曜:1日目(テーマの背景) 火曜:2日目 水曜:3日目 木曜:4日目 金曜:5日目(リポート完成)
yes 日本とアメリカの違い (つりゆり・東京都・パートナー無・46歳)
以前、甥が通っていたニューヨークの幼稚園の様子を見学したことがありました。小さいながらも自分の意見を言い、工作等の作業にも集中していたことが印象に残っています。また、アメリカでの大学の授業にも参加しましたが、私語はなく真剣に授業に取り組んでいたことが印象的でした。今回のテーマを拝見して、そのときのことが思い出されました。娘も中学生になりましたが、まだはっきりと自分の意見が周りの人に言えるようになっていないと思います。今後の私の子育ての課題とも言えるでしょう。

yes 人権を認める。 (ano・東京都パートナー無・)
海外の場合では、子どもといっても、自我、意見がありますので、一旦親や大人は話を聞く姿勢があると思います。その上で大人としての意見を具体的に返します。子どもは思考できるので良い悪いの判断基準ができると思います。日本の場合、多いのが親が絶対という考えです。親の考えに従って子どもは活動すべきというものです。親は、子どもの意見を聞かず、自分の考えだけを一方的に押し付けます。これでは、子どもが自信を持つのは難しいと思います。

yes 社会性をもつことが大事 (エゾモモンガ・東京都・パートナー無・41歳)
自尊感情については、職場では上司が意識してくれて「褒める上司」が増えていると感じます。むしろ自分の自尊感情が低い中間層の方が、相手を尊重せずにチームワークを乱すことが多いと思います。社会性を意識して自分が組織や社会の中で生きているんだと実感し、その中で良い影響を与えることが大事だと思えば、自ずと周りに居る相手のことも尊重するようになるし、組織の中で自分の良さを発揮しようとも思えるので、自尊感情が芽生えてくると思います。

yes 母と娘という関係 (jersey・熊本県・パートナー有・32歳)
私が自尊感情を持てるようになったのは、親元を離れてからのこと。母親は、私の言う事する事、いつもすべてに否定的で。私にしてみれば、信用されていない哀しさと生き苦しさでいっぱいでした。ティーンの女子の自尊感情の低さには、一番身近の女性であろう母親の影響が少なからずあるように感じます。娘に対する母特有の感情が働くという話も聞いたことがありますが、母親は自分の人生を娘の人生と切り離して考えにくいものなのかもしれない、と私は自身の母を見ながら思うことがあります。

no なぜ違う (ポーチュラカ・福島県・パートナー無・41歳)
欧米の子どもたちは、生まれた時から寝室が親と別、という話をきいたことがあります。生まれた瞬間から、親とは別の人格を持つ、一人の人間として扱われている証のように思えます。日本には、親離れ、子離れできない人も多い気がします。これが文化の違いなのでしょうか。

no 頭では分かっているのだけど…… (PK・東京都・パートナー無・34歳)
最近子どもが生まれ、生まれてきてくれてありがとう! と本気で思い、また、日々の生長をうれしく見守っています。でも、上にいる子には、自分がその年齢の時の事を忘れ、ついハードルが高くなってしまいます。出来ている事を褒めるより、出来ていないことを厳しく叱ってしまうことが多く、日々反省です。“親自身が自分の自尊感情を保つこと”というのにハッとさせられました。
4日目の円卓会議の議論は...
月曜:1日目(テーマの背景) 火曜:2日目 水曜:3日目 木曜:4日目 金曜:5日目(リポート完成)
日本の子どもの自尊感情が低い要因は?
いろいろな体験談をいただきありがとうございました。
まず最初に私たちの調査結果をお示しいたします。

小学生、中学生の子どもを対象とした調査では、ドイツ、オランダの子どもと比較して日本人の子どもの自尊感情が明らかに低い。また、オランダの現地校、オランダの日本人学校、同じサンプル数で抽出した日本の子どもを比較すると、自尊感情の高さはこの順に高く、オランダの日本人学校に通う子どもは、日本国内のどの学校の子どもたちよりも明らかに高かった

 “つりゆり”さんの「自分の意見を言っている」、“ano”さんの「人権を認める」、“jersey”さんの「母親は、私の言う事する事、いつもすべてに否定的(だった)」、などのご意見は、このような結果が得られた要因として考えることも出来そうです。私もオランダの現地校の子どもたちの授業風景を見学しましたが、学校でストレスを感じずのびのびと生活しているのが印象的でした。

自尊感情は以前から母親の関わり方が重要であると指摘されてきました。また、日本人は民族的に低いのではないか、とも議論されてきました。しかし、私たちの調査は、この2つの議論に一石を投じる結果となりました。(1)日本人の子どもが総じて低く思春期以降も低下し続けることは、母親の関わり方だけでは説明しにくい、(2)オランダの日本人学校の子どもの自尊感情は、むしろオランダの現地校の子どもの自尊感情に近い高さである、という点です。

同じ状況に遭遇しても、「よかった」ととるか「だめだ」と判断するかは個々で違います。日本の子どもたちは「だめだ」と判断する傾向にありますが、その理由として、睡眠不足、不規則な食生活、自分のペースで生活が出来ない不安などが、自身の認識を歪めているのではないかと考えています。私は、新たに生物学的な要因(認識の歪みは脳機能の変化と関連するという仮説など)を含めて検討すべきではないかと思っています。

さて、私から皆さんへ投げかけをさせていただけるのは今日が最終日です。子どもの自尊感情に配慮した、大人の関わり方はどうあるべきでしょうか? 皆さんのご意見をお待ちしています。

古荘純一
青山学院大学教授、小児精神科医
古荘純一


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■ 「子どもたちが持つ、3つの不安」
佐々木かをり対談 win-win > 第48回 古荘純一さん
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