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鯨肉というと、中高年の世代は給食を思い出すようですが、若い世代は食べる機会が少なくなっているようですね。eriko1971さんや靖さん、yuzinさんも、ふだんの生活からは縁遠い存在になったことを前提に意見を書いています。私も石巻に来るまではそうでしたが、この町では魚屋さんの店頭で「生クジラ」が売られています。
「生」とあるのは、沿岸で獲れたもので、南極海で獲れたものは「冷凍もの」です。沿岸の「生」は、近海の調査捕鯨(春は三陸沖、秋は北海道沖)の副産物ですが、それ以外に各地の定置網にかかったものが、鯨肉が好きな石巻に流れてきます。というわけで、ずいぶんと「生クジラ」を食べる機会がふえました。
さて、南極海での捕鯨ですが、メヌエットさんは、海洋生態学から捕鯨が可能かどうかの検証が必要だという意見。国際捕鯨委員会(IWC)の科学委員会は捕鯨が可能だとしていますから、少なくとも数が多いミンククジラの捕鯨は可能だし、それどころか捕鯨で間引かないと、ナガスクジラなどほかのクジラが減少するというリスクがあるという意見もあります。しかし、南極海までわざわざ出かけていって獲る必要があるのか、というtampopoさんの意見は、豪州というよりも、国際的には多数意見です。
jerrybさんの指摘するように、商業捕鯨がモラトリアム(一時停止)になり、日本は調査捕鯨を長く続けた結果、南極海での捕鯨は事実上、「国営事業」になっているのも事実です。伝統的な民間の捕鯨を生かそうとするなら、南極海での「国営捕鯨」よりも沿岸捕鯨を重視すべきだと意見が、このところ強くなっていると思います。長く日本の捕鯨を擁護してきたC・W・ニコルさんもいまは「南極海から撤退する代わりに沿岸捕鯨の存続」派です。
鯨食は日本の食文化かどうか悩むところです。もともと地域的な特性が強いうえに、戦後の食糧難の時代は国民のほとんどが鯨肉を食べたものの、いまの東京では「クジラ料理店」でしか味わえないものになっているからです。どんなクジラ料理を食べたか思い出しながら、捕鯨論議を進めましょう。
高成田享 朝日新聞石巻支局長 |
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