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今週のテーマ会議番号:2925
日本が南極海で続ける捕鯨に、賛成ですか?
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5日目/5日間
働く人の円卓会議
4位
【開催期間】
2010年03月08日より
2010年03月12日まで
円卓会議とは

高成田享
プロフィール
このテーマの議長
高成田享 朝日新聞石巻支局長
円卓会議議長一覧
「鯨一頭、七浦を潤す」という言葉があります。沿岸に迷い込んだクジラを漁民が総出で捕獲して、その肉をみ……
議長コメントを全文読む
4日目までに届いている投稿から...
月曜:1日目(テーマの背景) 火曜:2日目 水曜:3日目 木曜:4日目 金曜:5日目(リポート完成)
no 持続的な利用 (ぴよぴよぴょんきち・北海道・パートナー有・34歳)
クジラを食べる文化を守りたいということであれば、持続的な利用をするためのルール作り(漁期・捕獲種・頭数の制限、資源量のモニタリング、調査研究への協力など)と、それを必ず守るというモラルを持つこと。そしてクジラだけでなく、環境を守っていくための活動をし、国内外にその成果をアピールすることが必要だと思います。批判されることを恐れて情報を外に出さないことが、かえって悪い印象となっていると思います。

no 文化が交わる重要性 (もんちーた・埼玉県・パートナー有・34歳)
私のフィアンセはスペイン語話者なので、魚を食べる食文化があり、鯨を食べることも問題ありません。要は文化なのです。文化だと理解してもらえば、さっきまでの「野蛮だ」という考え方が一瞬にして消え去ります。感情論を論理的に変えることができるのです。ただ、今の日本外交のように、口下手でお金だけをばらまく方法では、残念ながら不信を招くだけでしょう。それには、日系人や在日外国人、在留邦人などのいわゆるバイリンガルかそれ以上の言語・文化を持つ人々が動くしかないと思います。

no ハリウッド映画をつくる (モリッシー・茨城県・パートナー無・36歳)
高成田議長のコメントがとても勉強になります。ありがとうございます。正直じつはよくわからなかった捕鯨問題ですが、今回の会議で投稿も読んで私自身は「南極海の捕鯨は諦めていいのではないか」と思っています。と同時に、潜入報道等はすごく論理的なはずの欧米人らしくないと思い、沿岸捕鯨は応援したい。そこで、クジラ漁師一家の子どもを主人公とした感動ストーリー映画をハリウッドに作らせるのはどうでしょうか。水産庁の調査捕鯨予算をそちらにまわせば夢ではないかも。
5日目の円卓会議の議論は...
月曜:1日目(テーマの背景) 火曜:2日目 水曜:3日目 木曜:4日目 金曜:5日目(リポート完成)
国際的な合意をめざして
「鯨一頭、七浦を潤す」という言葉があります。沿岸に迷い込んだクジラを漁民が総出で捕獲して、その肉をみなで分けたのでしょう。いまでも定置網などにかかったクジラを売ると、数百万円になるといいます。日本の各地には「鯨塚」があり、捕獲したクジラを祀っています。和歌山県太地は、江戸時代から組織的な捕鯨をしていた地域で、数カ所の岬にあった「山見台」から海上を見張り、クジラが近づくと、のろしが上がり、数十隻の「勢子船」に乗った約200人の漁民がクジラに網をかぶせ、もりを放ち、優秀な勢子の「刃刺し」が最後にクジラに乗り移り、とどめをさしていました。明治以降、欧米からロープのついたもりを撃つ「近代捕鯨」の技術が導入され、「古式捕鯨」は姿を消しますが、太地の漁民は、近代捕鯨の乗組員や砲手として捕鯨船に乗り込み、南極海まで行くようになりました。

モリッシーさんの提案は、クジラ漁師の映画をハリウッドで作るというもので、いいアイデアだと思います。C・W・ニコルさんは、英国で生まれカナダで環境保護局などに勤めたのち、太地に移り住んで、太地のクジラ捕りの青年が幕末から明治初期にかけて波瀾万丈の生涯を歩む「勇魚(いさな)」という小説を英語で書きます。1987年のことです。日本では翻訳されたものがロングセラーになり、大手のメディアも書評で取り上げましたが、米国の大手メディアからは無視されたそうです。米国には、捕鯨への拒否感が強いのだと本人は語っていました。欧米での捕鯨のメディア作戦は必要ですが、たいへんな努力がいると思います。

もんちーたさんは、バイリンガルな人たちが草の根で欧米の捕鯨への誤解を解くという作戦、これも必要ですね。だいたい、ペリーの来航は、米国の捕鯨船の補給基地を日本につくるのが狙いで、さんざんクジラを獲ったのはアメリカじゃないか、米国人と捕鯨の話をするときに、この話を持ち出すのですが、米国人の答えは決まっています。そう、その通りなんだよ、だから米国は反省して、いまは捕鯨に反対しているんだ。なかなか手強いです。

ぴよぴよぴょんきちさんは、持続可能な捕鯨のルールをつくり、クジラだけでなく環境や自然保護全体への真剣な取り組みをする、というもの。国際捕鯨委員会(IWC)の「正常化」の動きは、まさにそういうものだと思います。日本政府も、調査捕鯨の縮小という妥協で、沿岸捕鯨の再開(調査捕鯨ではない捕鯨)を目指しているようです。6月にモロッコで開かれるIWCの総会に注目ですが、捕鯨そのものに反対する原理主義的な反捕鯨国を説得できるか、微妙なところだと思います。

春になると、石巻の人たちは「まだかなあ」と言い出します。牡鹿半島の鮎川を基地にした沿岸の調査捕鯨が始まると、その副産物である鯨肉が町の鮮魚店に出回るようになるからです。私は、08年の春に、その捕鯨船に乗った経験を思い出します。クジラは船形で捕鯨船がわかるようで、必死にもぐって逃げます。捕鯨船は、ある程度見当をつけて、クジラが浮上しそうなところに向かいます。クジラが数十秒から数分で実際に浮上すると、急旋回して追います。1時間ぐらい追いかけると、疲れたクジラが次第に船の近くに浮上するようになります。そこで、砲手がもりを撃つのですが、その音のすさまじいこと、以来、私は難聴になってしまいましたが、貴重な体験でした。

捕鯨問題は、多くの論点があり、議論は尽きませんが、冷静に考えれば、落ち着きどころは見えてくるように思います。一週間、議論に参加していただき、ありがとうございました。

高成田享
朝日新聞石巻支局長
高成田享


関連参考情報
■ 「それでもクジラを食べたいですか?」
調査捕鯨で捕獲されたクジラの肉が市場に出回っている
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