秋らしい季節となり学業も仕事も繁盛な時期を迎えたこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。さて今回取りあげてみたテーマは「ニート」です。急速にキーワード化された印象もありますが、さまざまな観点から考えてみたいと思います。ニート(NEET;Not in Education, Employment, or Training)とは、イギリスで使われている言葉で、教育、雇用、職業訓練いずれもしない若者の状況のことです。イギリスでは政策的に、ニートのNotを除いてEETの状態に変えようという取り組みがなされています。
イギリスとは文化も社会状況も異なる我が国ですが、ニートという言葉は急速に浸透し使用されるようになりました。ニートは、15歳から34歳の未婚者を対象として、将来の社会的なコストになるという概念から政策的な課題として紹介されたものですが、日本で使われるニートという言葉にはより多くの概念や状況が混在しているように思います。家事手伝い、フリーター、引きこもり、反社会的集団、高学歴層、高年齢層、就職非希望者、などです。
リストラを避けるため、新規採用を減らし若年者が影響を受け、その時の失敗を契機に、自分自身の能力や将来に対して不安を持った人も少なくなでしょう。親そして大人社会が子どもの将来のモデルになれないこと、学生時代に人付き合いに苦労し今まで交わったことのない人達の中に通い詰めることに相当のプレッシャーを持つ者もいるでしょう。いずれにせよニートは、教育・家庭・雇用・社会環境などの一部分が急激な変化を余儀なくされ、その影響が最も弱い立場にある若者に、雇用問題として顕在化した現象とでもいえるのではないでしょうか。
皆さんは、日本においてニートは今後も増えていくと思いますか? まず1日目は、日本独特の家庭環境がニートを増加させると思うかどうかをお聞きしてみたいと思います。本人や家族の気持ちをどのように理解し、我が国では社会的にはどのような対応が必要なのか、この1週間一緒に考えていきたいと思います。ご投稿をお待ちしています。