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初めまして、代々木高等学院を運営している一色です。代々木高等学院は、既存の学校に居場所を見いだせない生徒たちが、社会へ出る予行演習をするための学校です。
私は、1986年から家庭教師の派遣会社や個人指導塾を運営してきましたが、年を追うごとに、高校進学をあきらめざるを得ない生徒が増えてきました。学校側から挙げられた理由の大多数は、「学校へ出席していないので調査書の書きようがない」というものでした。しかし、われわれ、個別に生徒達とつき合って生徒の状況や学力などよく理解している者は、この子たちが通えない学校の側に問題があるのではないだろうか、という思いを強くしていました。
同じころ、欧米では、Alternative Schoolと呼ばれる、自由教育思想を基に個別に子どもたちの個性を引き出す学校実践が盛んに行われており、成功を収めていました。その状況を見て、ぜひ自分でもやってやろうと、1992年に「自分の意志と足で歩けるように」をテーマにAlternative High School、代々木高等学院を開校しました。現在、不登校・引きこもり、高校中退をしてしまった子どもたちをお預かりしていますが、2004年春の段階で1400人の卒業生を社会に送り出してきました。
無認可高校として運営しておりますが、私立高校通信制課程を併用することにより、高校卒業の学歴を得ています。また5年くらい前から、大学・専門学校から直接代々木高等学院を指定校にしていただいたり、推薦枠をいただけたりするようになりました。卒業生の進学先での様子や、不登校生への周囲の目といった社会的背景の変化により、広く彼らが社会に容認されてきたのだと思います。そして私自身は、開校当初から、認可はなくてもせめて「通学(学割)定期券」くらいは出せるようにしたいという一念で、6年越しの活動を行いました。その結果、学割定期券を取得したのを初めとし、教育に関わるさまざまな規制改革の推進につながる活動も行っております。
子どもと学校については、みなさんいろいろなお考えや悩みもあるかもしれませんが、今回は、不登校生についてのみなさんの考えなどを伺っていきたいと思います。