ホーム > サーベイリポートデータベース
組閣で永田町は大騒ぎでしたが、世間はしらけていませんか。
9月27日に第三次小泉内閣が誕生しました。小泉首相といえば、あっと驚かせる大胆人事が持ち味です。今回もどんなサプライズがあるかと楽しみにしていました。ところが、わたしにとっては、法務大臣の南野知恵子という方がミナミノでもナンノでもなくノオノと読むことが驚きだったくらいで、ほかにサプライズと呼べるものはありませんでした。新しく入閣したのは知名度の低い人が多く、地味な印象です。サプライズのないのがサプライズと皮肉りたくなります。
小泉首相は今回の内閣を「郵政民営化実現内閣」と名付けました。郵政民営化に反対しない人を集めたら、ちょっと地味になっちゃったというわけです。でも、朝日新聞が世論調査をすると、新内閣に期待するのは「年金・福祉」が52%、「景気・雇用」が28%で、「郵政改革」はわずか2%でした。少々ずれてもいます。
人事は、奇をてらえばいいというわけではありません。しかし、今、政治への関心を高める上で、話題性や存在感が必要です。民主党の岡田党首の「ワクワク感がない」という感想に同意します。
そもそも、存在感のある大臣はこれまでも少なかったように思います。かつては官僚の振り付けどおりに動くのがいい大臣と当たり前のように言われていました。さすがにそれではまずいということで、副大臣を置くといった制度変更とともに、大臣になる人はその分野に精通した人にしようという掛け声がかかっています。でも今回の組閣でも、経済産業相を強く希望していた人が国土交通相になったり、看護師のリーダーが法務大臣になったりしています。お飾りでなければいいなと思います。
ここ数年で、もっとも存在感のあった大臣は、第一次小泉内閣の田中真紀子外務大臣ではないでしょうか。わたしは当時、週刊誌『アエラ』の編集長をしていましたが、毎週のように彼女と外務官僚たちの戦いをレポートしました。よく売れるのです。そのうち、鈴木宗男氏との戦いに移り、辻元清美氏らも巻き込んだ大騒動に発展しました。記事の反響はすさまじく、世間がワクワクしながら、この存在感のある人たちのパフォーマンスに目を凝らしていることを実感しました。
田中真紀子氏については、わがままお嬢さんがただかき回しただけ、という評価もあるでしょう。しかし、わたしは国民の目を霞ヶ関や永田町にひきつけ、そこのおかしさを白日の下にさらした功績は大きいと思います。プロ野球の再編問題におけるライブドアの堀江社長とかぶります。田中真紀子氏のような大臣がもっといてもいいと思います。
みなさんは、大臣の名前を5人以上言えますか? そして、今回の組閣をどう思いますか? さまざまなご意見をお寄せください。