ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第82回 丹下 一さん

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丹下 一さん
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のめり込んでやっていたら、皆、仕事になっちゃった
- 佐々木
すごいなあ。それにしても、集中型ですね。お話を聞いていると。
- 丹下
どうなのかなあ? まあ、やるとなると、のめり込みますね、朝から晩までやってますから。
- 佐々木
好きでも、8時間ピアノ弾き続けはね、なかなか。
- 丹下
だって、飽きないんですもん。やっと買ってもらえて、嬉しくて、嬉しくて。今までレコードを聴いてわからなかったことが、やっと「こうやると、こういう音になるんだ」とか。もう楽しくて、楽しくて。実は今、自宅の仕事部屋は、ベースとギター3本とシンセサイザーとピアノがあってまるで音楽室(笑)。劇団のとき、劇中歌作ったこともあるんです。
そのお蔭で、音楽祭の演出とかしてるんですもんね。FMラジオの音楽のイベントで、ミュージシャンの人達に、ちょっとマニアックなファンとして「この三味線とこのベースと合わせたら格好いいと思うんですけど、ちょっとセッションしていただけませんか?」って言うと、面白がってやってくれるんです。
好きでのめり込んでいたものが、40歳を過ぎたら、皆仕事になっちゃったみたいな感じがあって「人間、のめり込むのって大事だな」と思います。今、若い子達は、のめり込まないんですよね。のめり込む前に、「いや、やっても、プロにはなれないと思うから」みたいなことを言うでしょ? 1回、本当にのめり込んでみたらいいのにって思いますね。
- 佐々木
まったく同感です。その、のめり込みの仕方が分からないんですよね。周りがいくらそう思っているんだけど、本人が思わないと、のめり込まないじゃないですか。いくら環境を設定したって。
- 丹下
例えば「中国語をやったら、きっと仕事で役に立つと思うんだ」みたいなことを言う人がいますよね。「面白いから」じゃないんですよね。ギターを弾いて、「プロになる気がないから、別にギターやっても意味がない」と思っても、1回のめり込んで、面白がってやっていると、それを通して違うものが見えてくることがある。
例えば、僕は体が弱いことがすごいコンプレックスだった。昔のアングラ劇団っていうのは、「はい、腹筋100回」とかってやるんですよ。やったんですけれどもね。吐きそうになりながら。丹田を締めるとか、ガンガンやる。
で、25歳ぐらいの時にヨガに出会った。ヨガというのは、実はとてもハードなことをやってるんだけど、深い呼吸を使うと僕でも楽にできたんです。それで、楽に気持ちよくやっているうちに、すごく深い所に連れて行ってくれる。今では「そんなに体弱かったんですか?」って言われる。すごい体質改善になりました。「いろんな道があるんだ」と気づいたんです。
10/25
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