資産AとBに50%ずつというアセットアロケーションに決めて運用していたら、しばらくして資産Bが値上がりし、2倍になった。でも、もともと1:1という配分が理想なので、上がったものを売って下がったものを買い、1:1に戻した……。これがリバランスでしたね、覚えていますか?(【図1】)
では、リバランスはどれくらいの頻度でやればいいのでしょう。先ほどの過去の累積リターンの数字を使って試算してみました。1994年の1月から10年間と、1985年の1月から19年間で、アセットごとのリターンがどれぐらいあったかを示すのが【表4】です。
日本株を35%、債券を20%などとアセットアロケーションを決めて、リバランスせずにそのまま固定しておいた場合、最初を100として10年間で136。これを年1回ずつリバラスしたとすると139になります。19年間のほうは、固定だと203、年1回リバランスすると231。30%もリターンが大きくなるわけです。
いろいろ試算してみましたが、この場合は年1回リバランスするほうが3カ月に1回よりも良い効果を上げています。つまり、過去のデータで見る限り、3カ月に1回のリバランスはちょっと頻繁すぎるということになります。
また、一時的にもうかったとか、損したとかで、慌ててリバランスするのではなく、最初に決めた方針に基づいて年1回定期的にリバランスするほうが、長い目でみると良い、というのがわたしの結論です。タイミングを計らないという投資の原則に基づくなら、時期を決めて定期的にリバランスを実行するのが賢明でしょう。
リバランスは、上がったものを売り下がったものを買うので、ドルコスト平均法と似たところがあって、自動的に「安く買って高く売る」ということができます。
今日の内容をまとめると、まず、リターンを考えること。期待リターンと資産配分の表を自分なりに作って、いろいろなパターンで納得するまで試算してみる。
そして、今いくら資産があって、いつまでにいくら必要なのか。積立金額など具体的なプランを決める。自分が目標とする金額と、現実に可能な金額がかけ離れているとしたら、積立金額を増やすか、レートを見直すか、期間を長くするか。3つのどれかを変えるしかありません。
全部決めたら、あとは実行あるのみです。そして、年に1回はリバランスを行い、配分だけでなく運用レートなども見直しましょう。