マーチでは、20代後半の女性を一つのフォーカスカスタマーと設定したんです。
そして、その女性たちがどういうクルマを求めるのかを追究した結果、「Chic、Lively、Friendly」という3つのキーワードを商品全体のコンセプトとしました。
これを色で表現するために、それぞれいろんな解釈をして、カラーのテーマを「カフェのランチ食材」と設定しました。
当時、カフェブームだったということもありますし、マーチを手に入れた時に、その女性たちの生活が楽しくなることが大きなテーマだと思ったんですね。
知的な部分を持ちながら、生活が楽しくなる、潤う。その考えが、ランチの食材に結びつきました。
太陽光のあたるカフェで友達と一緒におしゃべりしながら楽しむランチというのは、「Chic、Lively、Friendly」なマーチの気分だし、弾む会話をつくるきっかけは、カフェのランチに出てきそうな食材かなと。
また、女性のカラーへの高い感度に応えるため、「色数は多く持とう」ということになりました。
そこでマーチの個性を創るコミュニケーションカラーを5色、それ以外にマーチクラスの車の定番色;ベーシックカラーが7色、合計12色というのが、カラー感度の高いフォーカスカスタマーには必要最低限な色数であると考えました。
(日産自動車・デザイン本部カラーデザイン部 吉富京氏 談)