色を決めるプロセスとして、まず、食材を5つ選びました。
フレッシュオリーブ、パプリカオレンジ、アクアブルー、ビーンズ、アプリコット。
これらを選んだのは、楽しそうに見えることを一番大切にしたかったからです。
その中から、さらに色として新鮮なものを抽出し、それらがマーチの楽しさを表現できるかどうかを見極めながら絞っていきました。
コンピューターグラフィックスでシミュレーションしながら絞り込んでいきます。その基準は、一つはクルマの形との相性。もう一つは内装の色との関係性ですね。
クルマの形という点では、マーチは以前の型よりも横幅が30ミリメートルずつくらい広くなり、かなり豊かな面ができています。その面を色でいかにサポートするかを考えました。
色を強くし過ぎると、メタリックな輝きが出にくくなるんですね。よく輝くということは、逆に陰の色もよく拾うことになります。ですから、オレンジに光るところは鮮やかですが、陰の色が足されると濁った茶色になってしまう。
輝きと鮮やかさのバランスを、クルマに塗ったりモデルに塗ったりしながらちょっとずつ進めていくわけです。
パプリカオレンジを創りこむだけでも200種類ぐらいのオレンジを検討しましたね。
(日産自動車・デザイン本部カラーデザイン部 吉富京氏 談)