「このクルマが売れなかったら、僕のせいにしてください」。
ステージ前にて紹介された3人の若手デザイナーのうちの一人が、口火を切りました。エクステリアの開発、カラーコーディネート、シートの開発……中島さんを中心としたデザイナーチームの面々です。
「インテリアの話が中心となっていましたが、エクステリアも素晴らしいのです」とか、「このシートは、世界でこれ以上のものはありません。自信作です」「インテリアの色を見てください」などなど、胸を張って話し始めるデザイナーたち。
手がけたものに、全身全霊を傾けたということが、体中から伝わってくるプレゼンテーションでした。
一方で、その若手のデザイナーたちのスピーチを客席で聞きながら、何度も小さくうなずいていらっしゃる中村デザイン本部長の姿も印象的でした。
その優しいまなざしは、日産のデザイン本部を引っ張る責任者として、後輩の育成への手ごたえをまさに感じていらっしゃるというご様子。
若手デザイナーのみなさんにも、このようなスポットライトのあたる花道を用意しておくことの大切さを、もっとも理解されている一人だと感じました。
デザイナーとしての仕事は、クルマの一部かもしれませんが、こうしてかかわる彼ら一人ひとりの志の高さ、仕上げる仕事の品質の高さが、「ティアナ」全体の完成度につながっています。
最後に、心を打たれたデザイナーたちの姿と、この一言を紹介します。
「デザイナーである僕たちが、このようにみなさんの前でマイクを持ってごあいさつさせてもらえるようになるなんて信じられません。日産で仕事をすることができて、本当に幸せです」。