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会議番号:2550

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【開催期間】
2008年09月29日より
2008年10月03日まで

円卓会議とは

このテーマの議長

森信茂樹　中央大学法科大学院教授、東京財団上席研究員

1週間の皆さんのコメントを拝見すると、安易なばらまきとなる減税には反対のようでした。私も同意見です。�……

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4日目までに届いている投稿から...

自助努力と機会平等で豊かな国に (icuco・東京都・パートナー無・42歳)

社会保障制度を整え老後や病後を安心に迎えられる「理想郷」をめざすには、今の税制は少なすぎると思います。私は、個人個人の努力が人生にきちんと反映される、自助努力と機会平等の国が良いと考えています。歳を取ったという理由で働く機会がなくなり、従って身体機能を発揮できずに老いて病気になり、それを保険で補うよりは、歳をとっても体が弱くても就労チャンスに恵まれて生き生きと暮らせる世の中の方が理想に思えます。今のままでは、たかり社会になりはしないかと心配になります。

	社会保障あっての減税 (ゆうたんぽん・岩手県・パートナー無・42歳)
目先の減税に惑わされずに中期長期での社会保障を整備するためには、税収をどこに求めるのかということ。国として、もっと先々の事を考えて政治家も政策見直しをして頂きたいと思っています。我々大人も個人的な視野ではなく……と思います。

今、行政を信じられますか？ (Coco Bennie・広島県・パートナー無・40歳)

私は学生時代から非正規雇用で働いてきましたが、数年前にようやく社会保険に加入（非正規雇用に変わりはない）でき、継続勤務できました。おかげで、昨年、病に倒れた時に働けなかった分は傷病手当金を受けられて本当にありがたいといった思いも経験しました。そんな経験があると、頭ごなしに「保険料を負けろ」とは言えないと思いますが、今、行政を「信じて！」と言ってもそれは無理だと思います。高学歴ワーキングプアのように、国策によって罠にかかった人たちの気持ちを考えたいと思います。

税金の使い道 (マザーリン・兵庫県・パートナー有・49歳)

私は所得税、市県民税、社会保険料、消費税等を毎月支払いますが、これらは適性に処理されているのでしょうか？公金横領や無駄使いは当たり前の公務員達に任せっきりにしていては、やりたい放題になります。納税者として厳しい監視や関心を、注がなければいけないと思います。たとえばらまきであっても国民に等しく返金する事にのみ意義があると思います。政策には平等感がないと受け入れにくいものです。いいサービス、福祉を受ける為に国民全員が納得して納税できるシステムを創って欲しい。

社会保険料は大きい (ハルミン・東京都・パートナー有・32歳)

いまはフリーですが、会社員時代、社会保険料の多さに毎月驚いていました。強制だけど、生命保険のように、将来自分のものになる、払った以上に返ってくるんだから……と自分に言い聞かせていました。今日のコメントを読み、税金と分けて考える理由がよくわからくなりました。徴収・管理のコストだってその分かかるわけで、どうして統合しないのか、疑問です。社会保険庁や自治体の社会保険事務所の過去の振る舞いも目に余りますしぜひ、トータルで制度設計してほしいと思います。

受益者が得るものは何か (pinkcat・東京都・パートナー無・42歳)

保険料も税金、どちらも徴収および見直しが必要だと考えます。税金による収益は変動があるけれど、収入応分負担が可能です。高齢者でも収入額の応分負担をして欲しい。保険料は世代間負担の制度疲労が顕著。不公平感は現役世代間でもあり、フリーランスで収益全額申告せず、保険料負担を免れている人を散見します。保険料の世代間負担の割合を低くし、今自分が納付したお金がどう使われているのかガラス張り広報をし、将来年金額予測を毎年通達するなど、受益者の意識向上の対策が必要と思います

各省庁が連携 (真打ち・栃木県・パートナー無・39歳)

税金と保険料を一緒に考えることのご指摘は、仰る通りだと思う。更に欲を申せば、全ての省庁が膝を突き合わせた話し合いを重ね、改善策を見出す方法を早急に実現して頂きたい。お金の話である。各々言い分もあろう。それぞれが、一個人となって国民一人一人が主役・社会の一翼を担うとの意識で、通例体勢を根本から見直し、「またか…」とうんざりする問題を一掃することを願って止まない。お金の前に、知恵を出そうではないかと私は思う。

払うことはヤブサカではないのに (noriari・兵庫県・パートナー有・36歳)

社会保障を全額税負担で、という考え方は充分アリだと思います。けれど、何度も言われているように、現状の社会保険料と税金の使い方、配分の仕方、未納者（払えるのに払わない）の問題をそのまま手付かずで、サラリーマン等明細が明らかで確実に取れるところからだけ取ろうという姿勢は甚だいただけません。まずは「不信」を取り除いてくれなくちゃ。喜んで払いたい気持ちにさせて欲しいと私は思います。

5日目の円卓会議の議論は...

今日本は税制と社会保険料、さらには社会保障を一体的に設計し直すときに来ている

1週間の皆さんのコメントを拝見すると、安易なばらまきとなる減税には反対のようでした。私も同意見です。ただどうしても減税をするというなら、以下のような哲学を持って、税制と社会保障を一体化したうえで行うなら、ばらまきではないので、大賛成です。

我が国は、失われた10年という長いトンネルを経て、景気回復をはたしましたが、その過程で、税の所得再分配機能はOECD諸国中最低水準のまで低下し、若年層を中心とした格差の拡大、貧困問題（ワーキングプア）が大きな社会問題となってきました。喫緊の政策課題として、税制と社会保険料、さらには社会保障を一体的に設計し直して所得再分配機能の再構築をはかる必要があると思います。

具体的には、年金保険料を、徴収漏れや逆進性の度合いが少なく、世代間の公平にも資する消費税に可能な限り振り替え、国庫負担の割合を高めていくことが必要でしょう。また、低所得若年層（フリーター等）にとって、年金保険料負担は大きく、これが未納急増の原因となっているので、欧米で導入されて効果を上げている、給付付き税額控除を導入することによってその負担軽減を考えることも一案です。

米国では、70年代に、社会保険料負担（税）の低所得者への負担軽減を行い、所得再分配機能を強化する観点から、課税最低限以下の低所得者に対して、勤労を条件にしたり、児童の数に応じて一定額を給付する、給付つき税額控除が導入されました。とりわけオランダや韓国では、年金保険料の負担軽減を念頭に置いてこの制度が導入されています。

社会保険料の未納を放置しておくと、いずれは税金で補てんすることになるわけで、税制と社会保障を一体設計して、勤労する低所得者層の年金負担を軽くする政策は、社会を活性化する効果を持つということです。近日中に『給付つき税額控除の研究』（中央経済社）という本を出版しますので、ぜひご覧になってください。

もう一度私の意見をまとめますと、8月末の経済対策で「定額（特別）減税」と「給付」が決まりましたが、具体的な内容の決定に際しては、ターゲットをどこに置くか明確にし、所得控除縮小や道路財源からの振り替えによって財源を確保しつつ、将来の生活不安を軽減するような、ばらまきでない政策として実行して欲しいということです。

1週間ありがとうございました。

森信茂樹
中央大学法科大学院教授、東京財団上席研究員


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