たくさんのご意見ありがとうございます。みなさん男の子でなかなか苦労している様子が伺えます。体力的に激しい時がありますからね!
これらは大きな二つの方向性のご意見がありますね。一つはやはり男の子特有の育ちや指向についてのご意見です。そしてもう一つはあまり男女を意識することなく育てるというご意見ですね。現代においては「男女共同参画社会」といわれるように、あまり男女の性差にこだわって教育や子育てをする事は、以前に比べて減ってはきていますね。もちろん性の違いは大切なことであり、そのことを全く考えないということもできないです。ただあまりにそのことのみに縛られていると、育てるほうも育つほうも疲れてしまいます。何事も程々がよいのではないでしょうか。
子ども達と関わるときに僕は二つの感覚を大切にしてきました。これは親としても、保育士としても気をつけていたことです。その一つは「あなたと私は一緒」という共感の感覚と、「あなたと私は違う」という独立の感覚です。かなり相矛盾するようですが、この二つの思いを、関わるときのバランスとしてどこかに取り入れるようにしていました。 つまり、共感の部分としては、同じ家族や仲間や生活するものとして、共同体としての感覚や喜びや悲しみなどは、できるだけ一緒に味わい共に感じあえるようにしていました。この感覚は特に男の子と関わるときは、感情移入しやすかったです。また、クラスの男の子や息子たちもお互いに上手く理解できていたように思います。
そして独立の感覚は、個人の思いや自尊心、タイミングやペースというものは、たとえ親子であっても違うものであり、その個人個人特有のもので踏み入ることができないものがあるというように思っていました。これは単に仲が悪いとか、相容れないということではありません。いくら幼くても一人の人格のある個人として認めていくということです。僕にとっての女の子は分からないというのではなく、個として独立している素敵な存在としてとらえていました。自分の性とは違うもう一つの特別な存在という感覚ですね。 だから極端な言い方をすれば、すべて解るわけもないし、また分かってはいけないものだとも思います。
みなさんが男の子の子育てに不安を覚える一つの理由は、やはり解らないということだと思います。だからといってすべてを分かろうとしてもこれも難しいですね。ここは思い切って「分からないこともある」と割り切ってしまってはいかがでしょうか。確かに男女は平等であるものですが、体の仕組みなどの違いはあることは否めません。その違いから派生して、さまざまな違いがあることは当然です。違うって楽しいことですよね。
「男の子がわからない!」と言われている男の子たちは「女の人が分からない!」ときっと言っているはずです。お互いが分からなくて当然。だからこそ分かり合えたときには何倍もうれしさがあるのだと思います。子育ても一緒ですね。同性の共感とは違う、異性との共感は違いを乗り越えた分だけ喜びもひとしおですよ!
今日はもう少し具体的に話を進めてみましょう。「男の子を育てるコツがあれば教えてください」。皆さんの子育てのテクニックや大切にしていること。上手くいったことや上手くいかなかったことでもかまいません。男の子の操作術のあれこれをお聞きします。うちの子たちは「ほめまくる」と「ものでつる」です。まるで犬の調教ですね!
小崎恭弘 神戸常盤大学短期大学部 幼児教育学科准教授 |
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