たくさんのご意見ありがとうございます。子どもを育てる楽しさ大変さ、そして男の子ならではの体験談など、それぞれにそのお家の良さが醸し出されていますね。こうやって文章にしたり、また人に伝えようとすることによって、今までのことを振り返ったり、自分の事に気づいたりすることができますね。子育てに終わりはなく、日々が真剣勝負ですが、時にはこのようにちょっと冷静になることも大切だと思います。
今回「男の子」をテーマにしてきました。もちろん「女の子」でもよかったのです。しかし母親から「男の子がわからない」という話や相談をよく受けていたので、男の子を選んでみました。もちろん子育ての中において、あまり「男女」ということを意識する必要がない場合も多いです。特に子どもが小さいときはそうかもしれません。 しかしみなさんとのやりとりの中で極端な男女の平等を唱えるよりも、もっとナチュラルな感覚で男の子を育てている姿勢を強く感じました。きっと子育ての一つの極意だと思います。
現代社会において、子育てが段々と難しくとらえられるようになってきました。子育ての本や雑誌は山のようにあふれています。また親の志向も多様になり、それぞれが自由に子育てを行う姿も見られます。しかし、本来子育ては「親が子どもに文化を伝える」というきわめてシンプルな活動です。そこにある究極のメッセージは「あなたが素敵な人生を送れるように!」ということだと思います。そのメッセージを彩る一つとして、親の考える「男の子像」や「女の子像」を伝えていけばいいです。もちろん「そんなことは関係ないよ」というメッセージでも全然かまわないのです。
現代社会は日々変化し、また複雑化していき、これまでの単一の価値観や意識だけでは上手く生きていくことが難しくなっています。そんなときに求められる力は、これまでの「男性らしさ」や「女性らしさ」などの単一の見方や感じ方だけでは無いように思います。別の見方をすれば、男の子に求められていた「強さ」そして女の子に求められていた「やさしさ」、この両方もが必要な社会や時代です。これは中庸的なという意味ではありません。「強さ」と「やさしさ」を上手く一人の人間の中で併せ持ったという意味で、「アンドロジィニー」としての能力が必要とされています。社会の状況に応じてどちらの能力をも発揮できる人材が求められます。
その基礎となるのはやはり自然な形での、自らの性に対する自信や肯定感だと思います。だから親として子どもの本来持っている性別の違いや能力について、あまり不安がらずに大きな目で見て育ててあげてほしいと思います。女性から見たら「何で男の子って……」と思うことがあると思いますが、まあそこはひとつ「よく分からないけど、男の子ってそんなものかな!」と見逃してやってください。以外におおらかさや大胆さが、育っていくように思います。皆さんが感じる「素敵な男性」に男の子を育てていきましょう! 一週間ありがとうございました。
小崎恭弘 神戸常盤大学短期大学部 幼児教育学科准教授 |
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