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恩師曰く「感染症は、ただむやみに怖がるのではなく、相手を知って適度に怖がらなければ」。
インフルエンザには予防が一番、かかってしまったら抗インフルエンザ薬で早期治療、接触者の発症予防には抗インフルエンザ薬の予防内服、が原則です。予防とは、日頃からの健康管理、手洗いとうがいの励行、部屋の換気と加湿、流行期には人ごみを避ける、症状のある人は職場や学校を休んで自宅で療養し、 咳エチケットで自分が感染源にならないように、など一般的なかぜ対策に加えてインフルエンザワクチンの接種です。通常のいわゆる季節インフルエンザに対してはほとんどの人が基礎免疫を持っていますが、新型ではその逆です。つまり 感染や重症化防止のためにワクチンはなくてはならない存在なのです。
ところがこのワクチン、現在の体制では、新型インフルエンザが発見されてから本格的な生産体制に入るまで数カ月、さらに日本の人口分生産するのに数カ月かかります。その間、なんとか抗ウイルス薬と先程述べた個人でできる予防法、そしてさまざまな公衆衛生手段で感染被害を最小限に食い止める必要があります。
抗インフルエンザ薬を備蓄している先進国工業国では、新型インフルエンザに対する抗ウイルス薬の使い方が議論されており、早期治療と接触者の予防内服の重要性を考えて家庭備蓄を検討している国、入院患者、重症者治療を優先する国、医療従事者が発病した場合を優先する国、などがあります。
この他によく話題にのぼるのがマスクです。皆さんはカゼをひいたときマスクをしますか。マスクをするとカゼがうつらないって実感ありますか。あなたの住むエリアで6〜8週間新型インフルエンザが猛威を振るうとして、いったいどれほどマスクを揃えておけばいいんでしょう?
進藤奈邦子 WHO(世界保健機関)メディカルオフィサー |
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