イー・ウーマン室崎益輝「着衣着火」、知っていますか?

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会議番号:2614

「着衣着火」、知っていますか?

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【開催期間】
2008年12月15日より
2008年12月19日まで

円卓会議とは

このテーマの議長

室崎益輝　関西学院大学・教授

着衣着火を招く人間の行動について、今日は考えてみましょう。ここで問題にする人間の行動には、（1）火災�……

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2日目までに届いている投稿から...

車窓からの煙草 (真打ち・栃木県・パートナー無・39歳)

着衣着火には日頃から留意しているが、二十年以上前に経験した、投げ煙草の被害を思い出した。初めは心地良い暖かさで、背中とシートの間に火の点いた煙草があることに微塵も気付かずにいた。熱いと感じた時には、綿の上着の背中一面に20cmほどの大きな焼け穴が出来ていた。負傷には至らなかったが、あの時ほど服の素材が幸いしたことはなかった。

	現象は把握していますが…。 (す～・滋賀県・パートナー有・37歳)
職場にて「防火管理者」になってくれということで講習に参加し、無事修了証をいただきました。その際にいろいろ勉強したはずですが、逃げ遅れにつながる原因の多くを占めていることまでは知りませんでした。暖房器具を使用する際、管理者としての役割を果たさなくては意味がないですね。

	オール電化 (すみよん・千葉県・パートナー無・38歳)
年配者の着衣着火事故が多いとニュースなどで知っていました。確か、女優の浦辺粂子さんもそれが原因で亡くなったというような記憶があり、我が家は、80になる母が私の仕事の関係で一人で過ごすことが多いので、この秋台所周りをオール電化にしました。

衣類にも安全性表示が欲しいです (DarkOliveGreen・茨城県・パートナー無・44歳)

表面がふわふわした素材が危険なこと、特に高齢者の危険度が高いことをTVで聞き、その時は祖母の衣類などに気をつければいいと思っていました。しばらくしてやかんでお湯を沸かす時に間違えて隣のガス台に着火し、袖口を焦がしそうになりました。仕事に疲れて少しぼーっとしていたようのですが、年齢層に限らず危険性があると気づきました。袖の長い衣類には安全性の目安となる表示があれば、衣類着火の危険性の周知にも、安全性を考えた選択もできると思います。

	怖いですね (ポーチュラカ・福島県・パートナー無・41歳)
着衣着火は恐ろしいものなんですね。私はフリース素材を冬によく着ているので、危ないなと思いました。身近に体験をされたかたはいませんが、この機会に着衣着火のメカニズムを頭にたたきこみ、予防に活用したいと思います。

冬の朝 (ぐん・広島県・パートナー有・30歳)

冬の朝、半纏を着て寝ぼけたままお弁当用の野菜炒めを作っていた時に、袖口に火がついたことがあります。半纏（綿入れ）だったので大事に至りませんでしたが、正直、どのように消したのかも覚えていません。火力が強すぎたのだと思います。フリースなどの新素材だったらと考えると恐ろしいです。

	はんてんを着ててはっとした (dokinchn・東京都・パートナー無・42歳)
寒くてはんてんをきていて、台所で火をつけたときなべをもっていると袖口にもう少しで火がつきそうなぐらい近くにありました。気をつけないといけないと大惨事になってしまうなあと思いました。注意していても難しいところはあると思いますが、今後は気をつけたいと思います。

3日目の円卓会議の議論は...

慌てて行動することは禁物

着衣着火を招く人間の行動について、今日は考えてみましょう。ここで問題にする人間の行動には、（1）火災の発生に関わる人間行動と（2）火災の拡大を許す人間行動とがあります。

最初に、（1）の「発生」を招く人間行動について見てみましょう。皆さんのご指摘にもあったように、着衣着火は調理あるいは喫煙という行動に関わって、数多く発生しています。それぞれ全体の約3割を占めています。次いで多いのが、焚き火や花火といった非日常的なイベントで、約2割りを占めています。

調理に関わる代表事例としては、ガスコンロで調理していて、吹きこぼれが起き、慌てて鍋のフタをとろうと手を差しのべた時に、着火したというのがあります。いったんガスを決めて対応すれば良かったのですが、ガスを付けたままで対応しようとしたことが、ここでは問題になります。喫煙に関わる代表事例としては、ガスライターでタバコに火をつけた後、ライターの火が消えたことを確認しないままポケットにしまったところ、着火したというのがあります。ライターの火の始末を確認しなかったことが、ここでは問題になります。こうした事例には、人間の不注意や不用意といった「不安全行動」が関わっています。仏壇にお供えをしようとしてローソクの火がついた、というのも同じです。急がば回れということで、安全確認のための手間を惜しんではならないということを、ここでは確認しておきたいと思います。

さて、（2）の「火災の拡大を許す人間の行動」についても、一言触れておきましょう。着衣着火が起きた場合、身近に火炎があるために慌てふためいて適切な行動がとれない、ということです。普通の火災の場合は、火から遠ざかるように避難すればいいのですが、着衣着火の場合は、避難しても火炎が一緒についてきます。つまり、着衣着火の場合は、避難するのではなく消火しないと身は守れません。水道の水をかぶるか、床に転がってもみ消すかしかありません。動き回ることは、空気を呼び込むことにつながって、一層激しく燃え上がらせる結果になるので、要注意です。ここでは、冷静に行動できるよう身を守る智恵を、トレーニングなどで体得しておかなければならないのが、重要なポイントです。

明日は、着火する側の衣類の問題点とその対策について考えてみます。どのような衣類が危険なのか、どのような衣類が安全なのか、皆さんのご意見をうかがえればと思います。

室崎益輝
関西学院大学・教授


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