ワークシェアについて、みなさんがとても関心をもっていらっしゃることがよくわかりました。とくにそれぞれの事情にあわせて働き方が選べるしくみが望まれているのですね。
もちろん、これが賃下げの口実になることは避けなければいけないのですが、「厳しい時代に生き残るためなら、賃下げがあっても仕方がない」(クロ子さん)。しかし「従来どおりの働き方をするならば従来どおりの賃金を支給する選択肢も必要」(れあれいんさん)。それぞれに、ごもっともです。 そのためには、何よりも働くものわたしたちの従業員主体のワークシェアである必要がある。(櫻井美雨さん)
賛成です。
さらに、「これを機に組織に依存した働き方ではなく…… 個人で勝負できるスキルを磨くチャンスだと捉える」ことも重要ですよね。
昨日、韓国で非正規労働問題に取り組んでいる研究者から話を聞きました。韓国では日本以上に厳しい状況があり、とくに若者が犠牲になっていると聞きました。
誰かを犠牲にして自分たちが守られるという社会ではなく、みなが安心して働け、努力したものが報われる社会を作るために、新しいワークルールと社会保障の仕組みが必要になっているのだとつくづく感じています。社会保障でいえば、オーストラリアのように、正社員でフルタイムでない人でも社会保障や年次休暇などがもらえる仕組みが必要なのではないでしょうか(ユウルさん)。 また、新しいルールとは、オランダと同じように「重厚長大産業の男の人にとってはいろいろな意味でマイナスだったことも妻(配偶者)には別のプラスがあった」(ドューイグレッグさん)といったものになるのだと思います。
今回みなさんと一緒に話し合ったワークシェアはこれから労使の話し合いのなかでより具体化されてくるのではないでしょうか。大きな時代の転換点に立っているのですね。それをいま実感しています。1週間ご意見を多数お寄せいただき、ありがとうございました。
大沢真知子 日本女子大学教授、放送大学客員教授 |
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