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会議番号:2854

更年期について、知識がありますか?

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【開催期間】
2009年11月23日より
2009年11月27日まで

円卓会議とは

このテーマの議長

鈴木美香　医学博士・産婦人科医

今回は、大変なうつ状態をご自身が経験されたakisabiyoさん、お母様やご親戚の更年期を経験されたもんちー�……

議長コメントを全文読む

3日目までに届いている投稿から...

ホルモン療法に助けられました (akisabiyo・米国・パートナー無・55歳)

更年期障害を起こったのはちょうど大学卒業最後の年で（アメリカの大学で47歳で卒業しました）、大変な欝状態になり、その上まるでアルツハイマーのような状態にもなり、卒業無理かと思ったのですがホルモン療法でみるみる良くなりました。医者はあまりのストレスで（仕事しながらフルタイム大学生、子どもの大病、頻繁な夫の職替え）このような更年期障害の症状がでたのだろうといいました。一般に言われるような身体的症状はありませんでした。

支えあうことで乗り越えました (もんちーた・埼玉県・パートナー有・34歳)

更年期障害の一番辛い面は、その辛さや不快を分かってもらえないことにあるような気がします。私は、27歳のときに、今話題の大企業を過労で退職し、その後1年半は、自律神経失調症に苦しみました。折りしも、母の更年期と重なり、父（母からすると夫）に分かってもらえない苦しみをお互い話し合い、支えあいました。名前は違っても、ほとんど同じ症状だったため、「自分だけではない」という事実が、乗り越える大きな支えとなりました。「孤独」も症状を重くすると思います。

更年期世代です (ごまちゃん・神奈川県・パートナー無・45歳)

40代半ばとなり、更年期世代となりました。今のところ目だった症状は出ていないものの、実母のホットフラッシュで苦労している姿を見ていますので、果たして自分にはどのような更年期障害の症状が出るのか……。本や雑誌、体験談など聞いてみるものの個人差が大きいようなので、「見聞きした症状が出たら産婦人科へ行こう」程度の心構えです。重篤な症状が出なければ、誰でも通る道と気楽に構えてやり過ごせるかもしれないなぁと思っています。

体よりも精神のバランスが (ＩＰウーマン・東京都・パートナー有・40歳)

実母は自覚症状はなかったようですが、客観的に見て明らかに更年期障害でした。とにかく精神的にバランスを崩しており、何の前触れもなく突然怒鳴ったり泣いたり。初め、理由がわからず苦労しましたが、雑誌などを見て調べた結果、そういう時期なのね、と納得し、ひたすら時が過ぎるのを待ちました。今も穏やかな性格、とは言い難いですが、以前のレベルには戻っていると思います。私もああなるのかと思うと、気が重いです。

女性のヒステリー (ニューヨーク・東京都・パートナー有・36歳)

更年期障害の身体的・精神的イメージは、とにかく身体がほてって、いつもイライラしているような、女性のヒステリーのイメージです。仕事や他の人に迷惑をかけないか、ということが漠然と不安に思います。議長のコメントにあったように、更年期障害の症状を疑ったらすぐに病院に行こう、との心づもりが今のところの備えです。

家族や周辺のこと (Ｌｉｊｕａｎ５４８３・中国北京市・パートナー無・42歳)

思春期に母親、最近叔母や義姉と兄嫁、友人の更年期障害を目の当たりにしました。私にもそのうち順番が来るんだろうなと漠然と待っているような感じです。少々内容が逸れてしまっているので恐縮ですが、家族や夫婦関係があぶりだされると、先述の更年期障害の方たちを見て強く思いました。私も自分の更年期障害を機に、家族と夫婦そして自分を取り巻く人たちとの絆が深まるのを切に願っています。

知らずに過ぎていました (shundari・愛知県・パートナー有・65歳)

更年期と言う言葉は聞いていますが、詳しい事は知らないままその年代を過ぎたような気がします。夢中に打ち込めるものが有ったので、自分の年も忘れて毎日頑張っていましたから。当たり前の事かも知れませんが、毎日を自分なりに楽しく充実させるように過ごし、バランス良い食事が大切かと思われます。特に乳製品などを積極的にとっています。

4日目の円卓会議の議論は...

身体の変化だけではない更年期世代を取り巻く環境

今回は、大変なうつ状態をご自身が経験されたakisabiyoさん、お母様やご親戚の更年期を経験されたもんちーたさん、ごまちゃんさん、IPウーマンさん、Ｌｉｊｕａｎ５４８３さん、などから更年期にかかわる精神的な症状についてたくさんの投稿をいただきました。

更年期障害の主な原因は卵巣機能低下ですが、これに加齢に伴う身体的変化、精神的・心理的・性格的要因、社会的な要因が複雑に絡み合って心身に症状が現れると考えられています。

まず卵巣機能の低下に対しては、
akisabiyoさんが救われたというホルモン補充療法（HRT: Hormone Replacement Therapy）という大変有効な治療があります。低下した女性ホルモンを補う薬物療法です。欧米では、約10－20％の方がHRTの経験があるというデータがありますが、日本ではわずか2％。以前の円卓会議「ピルに興味がありますか？」でも、多くの方から「ホルモン治療＝身体に良くない」というイメージからの抵抗感や副作用を心配する声が寄せられたように、やはり更年期治療においても日本ではまだまだ受け入れられていないのでしょうか。

また、HRTができない方（基礎疾患の有無などにより適応の可否があります）やHRTを希望されない方などでは、別な薬物療法として、漢方薬により顕著な改善がみられる方もおられますので、ご自分の身体に合った治療法を選択されるとよいでしょう。

精神的・心理的・性格的要因に対しては、
女性ホルモンの低下が一つの原因と考えられており、HRTによりイライラや気分の落ち込みなど症状が改善する場合もあります。しかし、精神的症状が強い場合は、抗うつ剤や精神安定剤による治療が必要な場合もあり、精神科や心療内科の受診をお勧めします。
女性は男性よりも2倍うつ病にかかりやすく、特に50代前半に限れば9倍もの有病率の差がある、という米国でのデータ（1993年）もありますから、注意が必要な時期です。

社会的な要因に対しては、
女性が更年期に差し掛かるころに、ちょうど様々なライフイベントが重なることも症状悪化の一因になりうるということを知っておくことが重要だと思います。更年期の方の健康問題をうかがっていると、自分の健康問題に加え、あるいは、ご自身の身体症状以上に、子どもの問題（受験や結婚）、親の介護の問題、パートナーの健康問題、老後の生活設計、職場での重責ある立場など、家庭や職場でのストレスなどの問題を多くの方が訴えます。

こうした要因を考えていくと、更年期に対する備えとして、shundariさんのように普段から「夢中に打ち込めるもの」をもっておくこと、そして、もんちーたさんやLijuan5483さんが経験から学んだように、「普段からお互い話し合い、支えあえる家族、夫婦、パートナーなどご自分の周りの方々との絆を深めておくこと」の重要性を強く感じます。更年期について考えるとき、まずは日常の生活そのものを見直すことも必要ではないでしょうか。

これまでの多くの投稿を通して、みなさんの更年期に対する知識やイメージ、心構えに何か変化はありましたか？

鈴木美香
医学博士・産婦人科医


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